ガス漏れ・事故を防ぐ方法
ここからは、日常生活でガス漏れやガスの事故を防ぎ、安全にガスを使うための対策を紹介していきます。
こまめにガス栓を閉める
ガスの元栓は安全機能がついたヒューズ栓が普及しており、ガスが大量に流れたときや、ゴム製のガス管が切れたり外れたりしたときには、ガスが止まる仕組みになっています。
ガス栓を閉めないことで、必ずしもガス漏れの危険が高くなってしまうというわけではありませんが、ガス事業者では部品の経年劣化などによる万一の事故を考慮して、基本的にはガスの使用後には手元のガス栓を閉めるよう推奨しています。就寝時や外出時などにも、ガス栓が閉まっていることを確認する習慣をつけると良いでしょう。
なお、住宅の外についているメーター栓については、ガス漏れなどの緊急時以外には自分で操作しないようにしましょう。
定期的に点検を行う
ガス事業者には、消費者が安全にガスを使用できるよう、4年に一度以上の頻度でガス設備定期保安点検を行うことが義務付けられています。住宅の屋外部分にある設備も点検の対象ですが、住人の立ち合いのもと、室内にあるガスコンロなどのガス機器の点検も行います。
ガス機器の故障や経年劣化などによるガス漏れ事故は、意外に多く発生しています。点検は無料で、特に異常がなければ短時間で終わるため、忘れずに受けるようにしましょう。
なお、ガスの点検を装って個人情報を聞き出したり、修理代金を詐取したりする事例が多く発生しています。不審に思ったら、身分証の提示などを求めるとよいでしょう。
ガス使用時は換気する
都市ガスやLPガスそのものは有毒な成分を含んでいませんが、ガスが燃焼するときには酸素を必要とします。締め切った室内で長時間ガスを使用すると、酸素不足からガスの不完全燃焼が起こり、人体に有害な一酸化炭素(CO)が発生する恐れがあります。
ガスコンロの使用中には換気扇を回すこと、ガスストーブは締め切った室内でつけっぱなしにせず、定期的に窓を開けて換気することなどを習慣にしましょう。
ガス警報器を設置する
ガス警報器は、室内のガス濃度の上昇や一酸化炭素(CO)濃度の上昇を知らせてくれるものや、1台で火災とガス漏れ、一酸化炭素(CO)を検知できる複合タイプのものなどがあります。火災警報器のように一般の住宅に設置が義務づけられているものではありませんが、ガス漏れの早期発見や一酸化炭素(CO)中毒の予防に役立つため、設置を検討してみてはいかがでしょう。
ガス警報器には都市ガス用とLPガス用があり、ガスの比重がそれぞれ異なるため、設置すべき場所も異なります。使用しているガスにあわせて選び、販売店などに相談の上で、適切な場所に設置することが大切です。
まとめ
ガス漏れは、火災や爆発事故につながる前の対応が肝心です。ガス臭いときやガス警報器が鳴ったときは、すぐに火を消してガスの元栓を閉め、窓を開けて、ガス事業者の緊急連絡先に相談してください。また、ガスを安全に使用していくためにも、ガス事業者の定期点検を受けるようにしましょう。
<執筆者プロフィル>
山見美穂子
フリーライター
岩手県釜石市生まれ。幼いころ両親から聞いた「津波てんでんこ」の場所は、高台の神社でした。
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配信: 防災ニッポン