放置は注意!円形脱毛症の原因はストレスだけじゃない

第839回 今日のこれ注目!ママテナピックアップ
季節の変わり目は人間関係の変わり目。新しい環境にストレスを感じている人が多いからか、私の身の回りでは、今年にかぎって円形脱毛症になった人が数名あらわれています。皆さま、頭皮は健康ですか?

●どうしてなるの?円形脱毛症

円形脱毛症というものがどういう症状かは知っているけれど、私がなったことはない。それに、症状は知っているけど、どうしてなるのか、その原因はストレスくらいしか知らない…。気になって調べてみることに。

『公共社団法人日本皮膚学会』ウェブサイトによると、円形脱毛症は、コインくらいに一部が脱毛する「単発型」が多いものの、ほかには複数個所抜け落ちる「多発性通常型」や、コイン状ではなく頭皮を帯状に抜け落ちる「蛇行型」、頭全体や全身の毛が抜け落ちる「全頭・全身型」の種類があるそう。人口の1~2%が、この症状に悩まされているといわれています。

いずれも、原因はリンパ球による攻撃。成長期の毛包がリンパ球によって攻撃を受けることによって、毛包が破壊され、だんだんと毛が抜け落ちてしまうのだそう。この理由、実はまだ完全にわかっていないそうですが、患者の遺伝子を調べたところ、毛包を標的にした自己免疫病ではないかと考えられています。

コイン

●円形脱毛症=ストレス…ではない場合も

円形脱毛症を引き起こす原因として、一般的にストレスがよく語れてますが、多くの患者を調べるとストレスと関係なく始まっていることも多いそうです(もちろん、精神的なストレスがきっかけとなり、脱毛が始まる方もいます)。

不思議なことに、円形脱毛症の患者を調査すると、家族や血縁のなかにも円形脱毛症になった人がいるという割合は2割に及ぶようで、どうやらなりやすさには遺伝的な素養もあるそうです。

年齢に関係なく円形脱毛症は発症しますが、4分の1の患者は15歳以下で発症(男女差は特になし)します。

●円形脱毛症の治療はどんなもの?

脱毛斑(抜け落ちている部分)が小さい場合は、自然に治るそうで特に治療が必要ないことも、しかし広範囲に抜け落ちている場合は治療が長引くことが予想され、副腎皮質ホルモンなどの外用療法やステロイドの局所注射、紫外線療法などをおこなうことによって、リンパ球の炎症を抑え、毛包を回復させていくのだそうです。

治療法は脱毛症の期間や脱毛面積によって決めるそう。面積が広い場合や多発性の場合は治療期間は長くなりますが、きちんと治療すればだんだんと元の髪の毛が戻ってくるのでご安心を。私の友人も含め、ほっとけば治ると病院に行かない人も多いようですが、放っておいても大丈夫かそうでないかの判断は、医師に任せて。まずは病院に相談しましょう。
(文・団子坂ゆみ/考務店)