【就活】親に“内定同意”を確認させる「オヤカク」 なぜ実施? 企業側の注意点は? 人事のプロが解説

企業が、内定を受諾した学生に対し、親が内定に同意したかどうかなど、親の意向を確認させる「オヤカク(親確)」を実施するケースが増えています。企業側がオヤカクを行うことの是非や注意点について、人事のプロが解説します。

今の就活状況を知らない保護者の悪影響

 このように、親が子どもの就職を心配する気持ちは分かりますし、それが悪いとは思いません。今後も少子化が進み親子の距離が近くなれば、就活に親が参戦するのは当たり前となっていきそうです。

 しかし、問題ではないかと思うのは、今のリアルな就活状況を知らない保護者のアドバイスが子どもに悪影響を与えることもあるということです。リクルートワークス研究所が公表した2025年3月卒業予定の大卒求人倍率(大学院卒含む)を見ると、従業員5000人以上の大企業の求人倍率は0.34倍であり、売り手市場であっても難関です。

 そのため、保護者が難関であることを知らずに、有名な大手企業を受けるように安易に勧めたり、新進気鋭の急成長企業や企業間の取引が中心の「B to B」企業に関する知識が不足していて、子どもに正しい助言ができなかったりするなどして、子どもがなかなか内定を得られないというようなケースが発生しています。

親を頼る学生に正しいアドバイスができるように

 このような、親の「間違った」サポートの弊害を避けるために、多くの大学が保護者向けに就職説明会を開いています。これは過保護だからではなく、保護者に正しい情報提供をして適切な関わり方を求めているというのが真の狙いでしょう。

 世の中には就活に関する情報やサービスは充実してはいますが、そこにはたくさんのポジショントークがあり、学生個人のことを本当に考えているかどうかは疑問です。ですから、最終的には自分を第一に考えてくれる保護者を信頼して意見を求める学生は多いと思います。

 サポートすること自体は良いことなのですが、そうであれば、保護者はしっかりと準備した上でサポートしてあげてほしいと思います。

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