「1日1回笑う」「写真を撮る時はカニのポーズ」「大声で川口が大好きだと叫ぶ」…こんなにある全国の「ご当地条例」

「1日1回笑う」「写真を撮る時はカニのポーズ」「大声で川口が大好きだと叫ぶ」…こんなにある全国の「ご当地条例」

●「電車に手をふる」「70歳代を高齢者と言わない」

特産品の普及以外にも、まちづくりを進めるための条例があります。

豪雪で知られる秋田県横手市には、「雪となかよく暮らす条例」が定められています。条例では、「全国でも指折りの雪の多いまち」という横手市で、自然の恵みとして雪を積極的に受け入れ、魅力ある雪国をつくることが目的だそうです。

全国に先駆けて、新たな制度をつくった町もあります。情報公開制度は、山形県金山町が1982年、日本で初めて制定しました。国の情報公開法の施行は2001年ですので、それよりも約20年も早く定められたことになります。

福島県只見町や新潟県魚沼市などは、電車に手を振って訪れた人をもてなそうとする「只見町只見線にみんなで手をふろう条例」をもうけています。只見線とは、福島県と新潟県をつなぐ路線で、「地域住民の只見線に対する愛着を深め、力強く走る只見線を応援することを目的」としています。

市民の健康を推進してきた神奈川県大和市は、「70歳代を高齢者と言わない都市宣言」をしています。もともと大和市では「60歳代を高齢者と言わない都市宣言」をしていましたが、「人生100年時代」を迎えるにあたり、新たに宣言しています。大和市は「認知症1万人時代条例」も制定しており、認知症の人が地域で尊厳を保ちながら、人々と共生することを掲げています。

また、地域の歴史を感じさせる条例もあります。京都府福知山市には「福知山市鬼文化研究所条例」が制定されています。酒呑童子などの鬼伝説がある福知山市は、「鬼のまち」を標榜しています。そうした中、この条例では、鬼文化の調査や個性ある地域文化の創造を目的とした、鬼文化研究所の設置を定めています。

パリオリンピックの卓球日本代表で、女子団体で銀メダルを獲得した早田ひな選手が最近、、「鹿児島の特攻資料館」について語って注目を集めました。特攻隊に関する施設があるまちの一つが、鹿児島県南九州市です。市内には「知覧特攻平和会館」があり、南九州市は特攻という人類史上ない作戦によって多くの若者の命が失われた歴史を忘れないよう、「平和を語り継ぐ都市宣言」をしています。

●憲法92条にある「地方自治の本旨」

地方自治体のユニークな条例はまだまだあります。一見、好き勝手に設置されているように見えますが、地方自治体が設置する条例は、日本国憲法92条によって、「地方自治の本旨」に基づかなければならないこととされています。この機会に、地元や自分の暮らすまちの条例に目を通してみるのはいかがでしょうか?

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「専門家を、もっと身近に」を掲げる弁護士ドットコムのニュースメディア。時事的な問題の報道のほか、男女トラブル、離婚、仕事、暮らしのトラブルについてわかりやすい弁護士による解説を掲載しています。
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