被害届の提出方法とは?注意事項と提出後の流れについて解説

被害届の提出方法とは?注意事項と提出後の流れについて解説

3、被害届を受理してもらえないことがある

被害届は、警察署に行って提出すれば必ず受理してもらえるというわけではなく、以下のような場合には受理されません。

(1)事件性がない場合

被害として届けられた事項が、刑事事件としての事件性を有しないとされた場合には被害届は受理されません。

例えば、貸した金が返ってこないとの相談などは、民事事件には基本的に介入しないという民事不介入の原則があるため、刑事事件としての事件性がなく、被害届は受け取ってもらえません。

刑事事件にあたることをしっかりと説明するようにしてください。

(2)事件が軽微で時間が経っている場合

事件が軽微で、被害から時間が経っている場合にも、基本的には被害届は受理されません。

仮に受理されたとしても、放置されてしまうでしょう。

警察は数多くの事件を抱えており、すべての事件の捜査をしていては、時間も予算も不足してしまうためです。

例えば、3年前にあった100円の万引きのような、被害が軽微で年月が経っている事件については捜査する余裕がありません。

確実に被害届を受理してもらうには、被害があったらすぐに被害届を提出するようにしましょう。

4、被害届を出した後の流れ

(1)警察が捜査を開始する

警察が被害届を受理すると、捜査が開始されます。

もっとも、すぐに捜査が開始されるとは限りません。

被害届を受理したら必ず捜査をしなければならないという法律上の義務はないので、事案の内容や業務の繁閑によっては、放置されてしまうこともあります。

放置されたくないという場合には、捜査開始義務がある告訴を検討するとよいでしょう。

捜査が始まると、取り調べ、証拠品の提出、実況見分など捜査への協力を求められます。

これらは任意で行われるため義務ではありませんが、犯人を適正に処分するためには協力が必要です。

犯人が判明していれば場合によっては逮捕され、さらなる捜査がなされます。

(2)検察が起訴するか否かを判断する

警察による捜査が進むと、事件が検察に送られ、犯人を起訴して裁判にかけるかどうかを検察官が決定します。

起訴するか否かの判断のために検察も捜査をしますので、被害者のさらなる協力が必要になることもあるでしょう。

犯行が明らかであっても、事案が軽微である、十分反省している、被害者との示談が成立しているなど、事件の中身をみて処罰する必要がないと判断すれば、検察官は起訴しないこともできます。

(3)裁判が開かれる

検察官が起訴をすると、基本的には裁判が開かれ、法廷で犯人の処罰が決定されることになります。

事件によっては被害者への尋問がなされることもあり、この場合は法律上の義務として出廷が必要です。

なお、事案が軽微な場合は、略式手続にかけられることもあり、書面での手続きで処分が決定されます。

(4)被害届を取り下げてもよい?

被害届は取り下げることもできます。

被害の弁償がなされて示談が成立した場合には、被害届の取り下げが条件となることが多いので、警察署に行って、所定の手続きを済ませましょう。

ただし、安易に取り下げてはいけません。一度取り下げた被害届を、気が変わったとして再度提出しようとしても、受理してもらえない可能性が高いです。

また、被害届が取り下げられると、不起訴となる可能性が高まります。

被害届を取り下げる際には、被害の弁償がなされたことを確実に確認するなど十分な注意を払い、誤って手続きをすることのないよう気をつけてください。

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