原因は口の中にあるとは限らない
他人と会話をしている際に、相手の吐く息がとても臭くて、顔をそむけたくなる経験をしたことがある方は、少なくないはずです。
口臭は自分では自覚しづらいもので、他人の顔色や誰かから「口が臭い!」といわれて、初めて気づくケースがほとんどです。そんな気づきにくい口臭ですが、原因は口の中にあるとは限りません。歯垢・歯石・虫歯・歯周病などは、口の中のトラブルであり、これらが原因で口臭を発することとなります。
代謝性疾患(全身疾患)が原因
口の中以外の身体の病気となる、糖尿病・尿毒症・肝硬変・肝がん・トリメチルアミン尿症などによる、代謝性疾患(全身疾患)が原因で、口臭を発するケースもあります。その他にも、食道がん、胃がん、食道狭窄、食道憩室などの消化器系の疾患によっても、口臭を発することがあります。
つまり、口臭は虫歯や歯周病だけでなく、糖尿病や肝硬変、食道がん、胃がんなど、代謝性疾患および消化器系の疾患の可能性があることも頭に入れておきましょう。このように「がん」の疑いもあるのであれば、自分が気づかない口臭を他人に指摘されたなら、感謝すべきなのかも知れません。
大病を早期に発見できる可能性が高まる
もしかすると、口臭の指摘によって大病を早期に発見できて、大事に至らない結果になる可能性が高くなります。口臭のセルフチェックは、なかなか難しいものがあり、唾液の臭いをかぐ、息をビニールに吐いて臭いをかぐなどは、自分の嗅覚に依存するので正確性に欠けてしまいます。市販の口臭チェッカーを利用する方法もありますが、口臭の原因まで特定することはできません。
まずは歯科クリニックで口腔チェック
口臭を指摘されたなら、まずは歯科クリニックにて口の中をチェックしてもらいましょう。もしかすると、虫歯や歯周病と同時に代謝性疾患や消化器系疾患になっている可能性も否めません。口腔内のクリーニングによって、歯垢や歯石を取り除き、虫歯や歯周病も治療を行い口の中のトラブルを一掃します。それでも口臭が治まらない場合は、内科・消化器内科を受診して、糖尿病などの検査を受けることもおすすめします。
配信: 医科歯科健診コラム