人生の中で3分の1以上の時間を占めているといっても過言ではない睡眠。からだや脳を休ませてリカバリーするだけでなく、メンタルのほか、肌などの美容にも影響が。今、改めて良質な眠りに向き合ってみませんか。
睡眠外来の先生に伺う眠りについての最新知識
眠りに関する知識、実は古いままかもしれません。巷に溢れる噂や常識の他、さまざまな疑問を睡眠の専門家にインタビュー。最新の知識を得て、ぜひよりよい睡眠時間を過ごす手段を身につけて。
お話を聞いたのは…
Dクリニック東京ウェルネス
睡眠センター長/医学博士
井坂奈央先生
埼玉医科大学医学部医学科を卒業後、東京慈恵会医科大学(耳鼻咽喉科)にて勤務。日本睡眠学会医。睡眠時無呼吸症候群を専門とし、男性にとどまらず女性・小児と数多くの診療を経験。2022年9月よりDクリニック東京ウェルネスに入職し、現在に至る。
「時間、リズム、質」が睡眠の良し悪しを測る三要素
A.
大前提として個人差はありますが、やはり睡眠には良し悪しというものが存在します。その基準となるのがこの3つ。まず「時間」ですが、20代から50代あたりまでは平均7〜8時間の睡眠が必要と言われています。ただ、経済協力開発機構(OECD)が発表した先進国を中心とした世界の睡眠時間を比較したところ、日本は韓国に次いでワースト2位という結果に。実際にミューズ世代の方々で十分な睡眠時間が確保できているという人は少ないかと思われます。次に「リズム」とは、平日も休日もなるべく毎日同じ時間に起床し、時差を作らないこと。そして『質』はスムーズに入眠できるかということですが、これはからだの深部体温に関係が。こちらは後半で詳しく説明しますね
「 22:00−02:00 =ゴールデンタイム」ってまだ信じてる?
A.
ゴールデンタイムというのは、重要な成長ホルモンが盛んに分泌される時間帯のことを指します。これまでは22:00〜2:00ごろというのが定説で、なるべくその間に寝たほうがよいとされてきましたよね。ただ最近では、何時に寝ても最初の90分がゴールデンタイムというのが新常識に。なので、今日もまたあの時間帯に寝られなかった!とストレスを感じることからはフリーになっていただいて大丈夫です。ただ、入眠から90分間の睡眠の質によって、成長ホルモンの分泌量に差が出るということを同時に知っておくといいでしょう
快適な睡眠を助ける便利なグッズたち
髪にボディに、眠れる香りを
コロナ禍以降、特に自分を労るという意味で「セルフラブ」というワードも一気に浸透。寝る前のリラックスタイムに心地よい香りに包まれながらマッサージなどで自分の肌やからだを労れば、入眠上手になれるはず。
頭や心をリセットし、心を鎮める香り。ボディや髪に使用可。シン ピュルテ トゥーグッド マルチベネフィットオイル Stillness and Energy 50mL ¥3,850(JIMOS)
オーガニックのラベンダー精油を10%と高配合したマッサージオイル。ヴェレダ ラベンダー ナイトオイル 20mL ¥3,300(ヴェレダ・ジャパン)
寝返りしやすいマットレス
我々のからだには凸凹があるので、睡眠時には特定の箇所に体重が偏りがちに。そこでからだが支えられています。仰向きに寝た場合は肩甲骨やお尻や足のかかとに、横向きに寝た場合には肩や腰に体圧が集中。体圧がかかった部分は血管が圧迫されるため血行が悪くなり、それを改善しようとして無意識に行うのが寝返りです。頻繁に寝返りが起きると、眠りのリズムが防げられ、結果として質のよい深い眠りを得ることができなくなってしまうことが分かっています。そんな体圧を散らして、局部にかかる負担を和らげられるような働きをしてくれる体圧分散マットレスは必携です。
腰の直下にサポートベースがあり、からだの最も重い部分がマットレスに沈み込むのを防ぎます。リバーシブルのトッパーレイヤーのファスナーを開けてひっくり返すだけで、マットレスの硬さを「ふつう」と「かため」の2種類から選べるように設計。New コアラマットレス¥89,900〜(コアラスリープジャパン カスタマーサポート)
リバーシブルが嬉しい!
まだまだ続きます♪
text:KAZUKO MORIYAMA illustration:YUKO SAEKI styling:ERINA KAWASE
otona MUSE 2024年9月号より
配信: オトナミューズウェブ
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