3、実刑を免れる方法とは?
では、実刑を免れるためには具体的にどうすれば良いのでしょうか。
実際に罪を犯してしまった場合と、本当に何もしていない場合とに分けてご説明します。
(1)罪を犯してしまっている場合は起訴猶予・執行猶予を目指す
罪を犯して取り調べを受けた場合は、まず起訴猶予処分を目指しましょう。
実際に罪を犯した場合でも、必ずしも起訴されるとは限りません。
起訴猶予となれば刑事裁判にかけられることがないので、実刑判決を言い渡されることもありません。
起訴猶予を獲得できずに刑事裁判にかけられた場合は、執行猶予付き判決を目指すことになります。
起訴猶予や執行猶予を獲得するためにやるべきことは、まず深く反省することと、家族等に身元引受人になってもらい、生活の指導監督を誓約してもらうことです。
そうすることによって、再犯のおそれがないか限りなく低いと判断されやすくなります。
また、被害者がいる犯罪の場合は示談をすることも重要です。
真摯に反省し、誠意をもって被害者に謝罪することが大切です。
前記「2」(5)でご説明したように、被害者が「処罰を望まない」場合には、起訴猶予・執行猶予の可能性が高まります。
起訴猶予を目指す場合は、以上のことを早急に行う必要があります。
たとえ起訴されてしまったとしても、まだ執行猶予の可能性がありますので、諦めないことが重要です。
(2)何もしていないなら無罪を目指す
本当に何もしていない場合は、無罪を目指すことになります。
無罪を目指すために最も大切なことは、取り調べで自白してしまわないことです。
取調官は自白を迫ってくるかもしれません。
しかし、何もしていないのですから、無罪を目指すため、罪を認めてはなりません。
いったん自白をしてしまうと、刑事裁判でその自白を覆すことは非常に困難となります。
日本の刑事裁判では、起訴されると、有罪となる確率は99%を超えると言われています。
実刑を免れるための方針として何がベストなのかについては、弁護士に相談することをおすすめします。
4、実刑判決を受けてしまった場合の対処法
刑事裁判で実刑判決を受けてしまっても、その判決が確定するまではまだできることがあります。
(1)控訴をする
判決言渡し日から14日以内は控訴をすることが可能で、控訴すればもう一度審理してもらい、判決内容を再検討してもらうことができます。
控訴をしてから控訴審の公判期日までは2ヶ月程度の期間が空くことが多いです。
その間に、さらに深く反省したり、被害者からの嘆願書を取得したり、本人へのより強力な監督が期待できる身元引受人を探したりしましょう。
このような対応をすることにより、第一審で実刑判決を言い渡されても、控訴審で執行猶予付き判決が言い渡される可能性もあります。
(2)どうしても実刑が避けられない場合は仮釈放を目指す
実刑(懲役及び禁錮に限る。)を受けた場合は、仮釈放(刑法第28条)を目指しましょう。
仮釈放とは、懲役・禁錮の実刑を受けた場合に、受刑態度が良好な者について刑期の途中で仮に釈放することを認める制度のことです。
有期の懲役・禁錮の場合は刑期の3分の1以上が経過すれば、仮釈放が認められる可能性があります。
例えば、懲役3年の実刑判決を受けた場合でも、刑務所で1年以上を過ごせば、後の2年は釈放されて社会内で暮らすことが可能になるのです。
そのためには、刑務所内のルールをしっかり守ることは当然として、日々反省を深め、家族とも継続的に連絡して身元引受人を確保しておくことが大切です。
配信: LEGAL MALL