5、年金分割の手続きができる場所
年金分割の手続きは、以下の厚生年金の手続きを取り扱う役所・機関ならどこでも行うことができます。平成27年10月に厚生年金と共済年金が一元化されたので、厚生年金加入期間分と旧共済年金加入期間分は一括して分割できます。
年金事務所・年金相談センター
各国家公務員共済組合・国家公務員共済組合連合会年金部
各地方公務員共済組合・全国市町村職員共済組合連合会・地方公務員共済組合連合会
日本私立学校振興・共済事業団共済事業本部
なお、年金分割のための情報通知書請求については、夫婦のいずれかが婚姻期間中に加入していた年金の役所・機関がとりまとめることになります。違う役所・機関に情報提供請求が提出された場合は、書類がとりまとめ機関に回されて年金分割のための情報通知書が発行されます。
6、年金分割と合わせて行いたい離婚前の行動について
ここまでは、年金分割について解説してきました。婚姻期間の長さや配偶者の年金加入状況によっては、年金分割を行っても期待したほど自分の年金受給額が増えないということもあります。ここでは、離婚に際して年金分割以外に配偶者に財産を請求できるケースを紹介します。
(1)離婚事由が夫側有責なら慰謝料請求をする
離婚に至る原因を作ったのが夫である場合には、慰謝料を請求することができます。例えば、夫の不倫(不貞行為)やDVが原因で離婚するなどがこれにあたります。慰謝料の金額はさまざまな事情を総合的に判断されますが、婚姻期間の長さや、受けた精神的苦痛の大きさなどにより多い場合には300万円程度になるケースもあります。
慰謝料を請求する場合には、証拠が重要なポイントになります。できるだけ早い段階で弁護士に相談し、指示に従って手続きを進めましょう。
(2)財産分与の請求をきちんと行う
財産分与とは、婚姻中に夫婦で協力して築いた財産を、離婚時に分け合うことを言います。これは当事者同士の話し合いだけでは、なかなか公正にはできないものです。
きちんと財産分与を行うためには、まずは夫婦の財産を正しく評価する必要があります。
不動産などの分けることの難しい財産がある場合でも、弁護士に依頼することで、きちんと財産分与を行い、それまでの貢献度に応じた財産を得ることができます。相手との話し合いが難しい場合でも、諦めてしまわずに弁護士に相談してみましょう。
配信: LEGAL MALL