日本と海外の経済学教育
日本では、小学生や中学生が経済やお金について学ぶ機会は限られています。学校教育では経済に関する授業が少なく、家庭でも十分な教育が行われていないことが多いようです。
先進国の中では、アメリカを筆頭に欧州やアジア各国でも教育カリキュラムに経済学が組み込まれている国や、学校教育のなかで子どものうちから経済の基本を身につける機会が設けられている国も増えているようです。
日本でも、2022年4月から成年年齢が引き下げられたことにより、18歳からクレジットカードの作成など金融に関する契約が行えるようになったことを受けて、高校学習指導要領改訂で金融経済教育の内容が拡充されました。
主な内容としては「生活における経済の計画」「消費行動と意思決定」として、以下のような教育目的が掲げられています。
【生活における経済の計画】 ・家計の構造や生活における経済と社会との関わり、家計管理について理解すること。 ・生涯を見通した生活における経済の管理や計画の重要性について、ライフステージや社会保障制度などと関連付けて考察すること。
出典: 【家庭編】高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 /文部科学省
【消費行動と意思決定】 ・消費者の権利と責任を自覚して行動できるよう消費生活の現状と課題、消費行動における意思決定や契約の重要性、消費者保護の仕組みについて理解するとともに、生活情報を適切に収集・整理できること。 ・自立した消費者として、生活情報を活用し、適切な意思決定に基づいて行動することや責任ある消費について考察し、工夫すること。
出典: 【家庭編】高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 /文部科学省
具体的には、家計管理、ライフプラン、資産形成、借金などの仕組みを身につけることが求められているようです。
学校教育だけでなく、子どもが自主的に学んだり家庭で学ぶ機会の創出として、金融庁が子ども向けに金融教育コンテンツを提供しています。小学生向け、中高生向けがあり、子どもが楽しく学べる資料やゲームが用意されています。
出典:小学生のみなさんへ/金融庁
出典:中学生・高校生のみなさんへ/金融庁
子どもに経済を教えるポイント
家庭のなかで子どもが経済学について学ぶには、きっかけづくりやコミュニケーションなど保護者のサポートが必要です。まずは子どもが経済学に触れるために、保護者が押さえておきたいポイントを見ていきましょう。
ツールを活用して興味を持たせる
子どもに経済を教える際、まずは興味を引き出すことが重要です。経済の基本を楽しく学べるように、マンガやゲームなど子どもになじみやすいツールを活用するのがよいでしょう。
次章で紹介する「マンガでわかる! 10歳からの『経済』のしくみ」などの児童書や絵本は、イラストや図解、まんがなどが盛り込まれて子どもにわかりやすい内容になっています。
このような本をいっしょに読んで日常生活や会話のなかで活かすことで、子どもも興味を持ちやすく、楽しく学べるでしょう。
子どもが好きな商品の会社を例にする
子どもが普段からなじみのあるお菓子やおもちゃ、アニメやゲームなどの製作会社を例に出して、経済の仕組みを説明することも効果的です。
たとえば、子どもが好きなお菓子がどのように作られ、どのように販売されているかを説明することで、製造業や流通業の基本を理解しやすくなります。
子どもがよく知っている具体例を使うことで、経済の仕組みを身近に感じられるかもしれません。
配信: ASOPPA!