「若年性アルツハイマーになりやすい人」の特徴はご存知ですか?医師が徹底解説!

「若年性アルツハイマーになりやすい人」の特徴はご存知ですか?医師が徹底解説!

若年性アルツハイマーになりやすい人の性格

特定の性格の人が若年性アルツハイマー病になりやすいとは断言できないと思われます。
うつ症状や無気力、無関心になっている、などの状態が、すでに若年性アルツハイマー病の初期症状を示している可能性はあります。若年性アルツハイマー病になりやすい要因が他にもあるかどうか、総合的な判断になるでしょう。

若年性アルツハイマーの前兆となる初期症状

アルツハイマー病では物忘れ(記憶障害)が主な症状となることが多いですが、若年性アルツハイマー病では22~64%でうまく話せない、性格が変わるなどの物忘れ以外の症状が目立つことがあります。ここでは若年性アルツハイマー病を疑いうる症状について説明します。

記憶障害

若年性アルツハイマー病で最も多い症状は記憶障害です。アルツハイマー病の記憶障害では過去の記憶は比較的保たれていますが、直近の記憶を忘れてしまうことが多く、約束を忘れてしまう、新しい仕事が覚えられなくなる、何度も同じ話をするなどの症状がみられます。軽症であれば貴重品など重要な場所の置く場所を決める、予定はカレンダーなどに記入して記録を残すなどの生活の工夫により、生活の支障を軽減することができます。

視覚認知の異常

距離などの目測が困難となった、眼で見たものが何かわからなくなった場合にはアルツハイマー病の可能性があります(後部皮質委縮症)。このタイプのアルツハイマー病では記憶力は比較的保たれる一方で計算ができなくなる、左右がわからなくなる、見えているものを手でつかむことが困難になるなどの症状が出現することもあります。

失語症状

文法などは保たれている一方で「あれ」や「これ」などの指示語が増えて単語がでてこなくなったり、返答する際の文の繰り返しが極端に減ったりと会話の異常がみられた場合、単語の理解は悪くないのに長文の理解が困難となった場合には、アルツハイマー病の可能性があります(ロゴペニック型進行性失語症)。
記憶障害に限らず、生活に困るような認知機能の異常を認めた場合には脳神経内科を受診しましょう。受診する際は状況をよく理解している方と一緒に受診してください。

無関心、性格変化、常同行動

周囲のことに関心を持たなくなり、周囲の言葉を聞かずに毎日同じ行動を繰り返す、気持ちを抑えられず、堂々と万引きをするなど欲望に忠実な非常識な行動をとるなど、明らかにおかしな行動をする場合にはアルツハイマー病の可能性があります。前頭側頭型認知症という認知症に類似の症状ですが、記憶力の低下が目立つなどの特徴があります。

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