「若年性アルツハイマーになりやすい人」の特徴はご存知ですか?医師が徹底解説!

「若年性アルツハイマーになりやすい人」の特徴はご存知ですか?医師が徹底解説!

若年性アルツハイマーの末期症状

アルツハイマー病は進行性の変性疾患であり、月~年単位で症状が進行していきます。進行した場合には不安を強く訴える、怒りっぽくなるなど活動性が上がる場合と、全く意欲がなくなり食事も食べなくなるなど活動性が下がる場合があります。どちらの場合も対応に注意が必要で介助者の負担は大きくなります。

家族の認識も困難になる

記憶障害が進行した場合には、過去の記憶も思い出すことが困難となり、配偶者や子供の記憶も曖昧になります。また過去の記憶しかないため、なくなった方が生きているように話すなど、現実とかけ離れた話をするようになってしまいます。

不安が強く、怒りっぽくなる

特に施設などにいる場合などは自分のいる場所、周囲にいる人の認識ができず、不安を訴えたり、脱走しようとしたりします。また、状況理解も困難となるため、行動を制止されると非常に強く反発します。問題な行動に対しては、本人の発言、行動を否定せず、意識を他に向けることで対応できることがあります。

食事を摂らず、寝たきりになる

アルツハイマー病が高度に進行すると、活動意欲をなくしてしまい、ベッドで寝て過ごす生活をするようになります。周囲への関心や食事への意欲もなくなり、食事をほとんど食べなくなります。

若年性アルツハイマーの主な原因

アルツハイマー病は変異型のアミロイド蛋白(アミロイドβ)が脳に溜まることをきっかけに、タウ蛋白が脳に蓄積ずることで、神経が変性・委縮し、発症する病気です。発症に関連する因子はこれまでに60以上の報告がされていますが、ここでは比較的関与の大きい、遺伝的な要因や頭部外傷、金属への暴露などについてご紹介します。

遺伝的要因

これまでアルツハイマー病には多数の関連する遺伝子変異の報告がありますが、発症への関与が大きいものとしてはAPP遺伝子、PSEN1/2遺伝子、APOE遺伝子の変異があげられます。特にPSEN1では発症年齢の中央値が43歳と早期に発症しやすく、注意が必要です。遺伝子変異があると必ず発症するわけではありませんが、ご血縁の方で若年性の認知症の方が複数名いる場合には念頭に置きましょう。

頭部外傷

脳挫傷などの外傷性脳損傷のある方はアルツハイマー病になりやすいと報告されています。交通事故などの高エネルギー外傷だけでなく、ボクシングなどの接触スポーツで頭部の打撲を繰り返した場合にも発症頻度が増加すると報告されているため、注意が必要です。

金属の暴露

過去の研究ではアルミニウムを豊富に含む粉塵にさらされた鉱山労働者にアルツハイマー病で亡くなった方が多いことが報告されています。また、各種の微量金属が細胞の再生や修復などのプロセスに含まれており、アルミニウムや亜鉛、水銀、銅、カドニウムなどの金属に長期間暴露するとアルツハイマー病を発症しやすいと報告されています。鉱山や金属加工業で働く人は防塵マスクを装着するなど注意が必要です。

受診・予防の目安となる「若年性アルツハイマー」のセルフチェック法

・物忘れが気になる場合

・言葉がでてこず、人とうまく話せなくなった場合

・触ったら何かわかるものが、眼で見て判断できなかった場合

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