若年性アルツハイマーの予防法
頭に強い衝撃を与えない
頭部に強い衝撃がかかるスポーツ(ボクシングやアメリカンフットボールなど)を避け、交通ルールを順守して交通事故にあわないように注意しましょう。
適度な運動やバランスの取れた食事をする
高齢発症のアルツハイマー病と比べると、若年性アルツハイマー病では生活習慣病の関与は少ないとされていますが、運動不足や肥満、過度なダイエットは発症に関与しうるといわれています。適切な生活習慣を心がけましょう。
生活リズムを整える、適切な睡眠をとる
脳以外ではリンパ管を通して各細胞で作られた老廃物を静脈に排泄していますが、脳はリンパ管がなく、代わりに脳脊髄液の流れを用いて老廃物を排出しています(Glymphatic system)。Glymphatic systemは、睡眠中に活性が大幅に増大することが示されており、適切な睡眠をとることがアミロイドの集積を抑えることにつながる、と考えられています。
金属暴露を避ける
鉱山や金属加工業で仕事をしている、空気汚染の強い地域で生活している場合には防塵マスクを装着するなどの金属暴露を避けましょう。
「若年性アルツハイマーになりやすい人」についてよくある質問
ここまで若年性アルツハイマーになりやすい人などを紹介しました。ここでは「若年性アルツハイマーになりやすい人」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
若年性アルツハイマーを発症しやすい血液型について教えてください。
村上 友太(むらかみ ゆうた)医師
高齢患者の認知症に関してはAB型で認知症を発症しやすかったとの報告がありますが、若年性アルツハイマー病と血液型との関係は報告されていません。また、別の研究では血液型による認知症の発症の違いはなかったとの報告もあります。
20代で若年性アルツハイマーを発症する原因について教えてください。
村上 友太(むらかみ ゆうた)医師
若年性アルツハイマー病の中でも、より早期に発症するものでは遺伝性のアルツハイマー病が考えられます。20代での発症は遺伝性のアルツハイマー病としても、かなり早期の発症であるため、他の疾患ではないかの評価は必要です。
編集部まとめ
アルツハイマー病は加齢が大きく関与する疾患であり、65歳未満で発症することは少ないですが、労働世代で発症した場合には生活により大きな影響を与える疾患です。昨今は労働世代が70歳まで引き上げられつつあり、より発症に注意すべき疾患であるといえます。発症には遺伝的要因や環境要因など様々な要因が関与していると考えられ、予防法も確立できていませんが、頭部に強い衝撃が加わることを避け、適度な運動、バランスの取れた食事、適切な睡眠をとることは発症の予防につながると考えられます。
新規の治療薬としてレカネマブが保険適応となるなど、新たな治療薬の開発に期待もされていますが、まだまだ治療の難しい疾患であるため、生活習慣の改善などできる範囲で予防を心がけましょう。
「若年性アルツハイマー」と関連する病気
「若年性アルツハイマー」と関連する病気は11個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
脳神経内科・脳神経外科の病気
レビー小体型認知症
前頭側頭型認知症
血管性認知症
辺縁系脳炎
正常圧水頭症
慢性硬膜下血腫
内科の病気甲状腺機能低下症
ビタミン欠乏症
認知症の症状が出現する病気はたくさんあるため、頭部画像検査だけではなく血液検査などいろいろな検査を行い診断をします。
「若年性アルツハイマー」と関連する症状
「若年性アルツハイマー」と関連している、似ている症状は6個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
関連する症状物忘れ
うまく話せない
単語が思い出せない
眼で見たものの名前がわからない
眼でみて距離が測れず、ものがうまくつかめない
新しいことができない
最も多い症状は物忘れ(記憶障害)ですが、上記のような症状が続くようであれば一度専門医療機関へ受診することをお勧めいたします。
配信: Medical DOC
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