『水曜日のダウンタウン』最終回ドッキリが“企画力”以上に大成功したワケ。炎上ギリギリで勝負する力とは?

『水曜日のダウンタウン』最終回ドッキリが“企画力”以上に大成功したワケ。炎上ギリギリで勝負する力とは?

絶妙なラインで炎上を切り抜けた、巧妙で壮大な仕掛け


番組演出の藤井氏は、放送後のXで「業界内ではかなり噂が回っていたので、先週の予告を見て『やっぱり来たか』と思った人も多かったかと思います。なので、視聴者にも…人づてじゃないから出演者たちと同じではないけれど、少し体験型になっていた方が楽しめるかと思って、やや煽ってしまいました」と説明。

今回は、誤認するような番宣などをもとに、SNSで終了デマが拡散する土台を作るという、巧妙で壮大な仕掛けを作り上げた。

正直、ここまで世間を巻き込んで企画を面白くするには、炎上などのリスクもあっただろう。しかし、“番組は「終了」だ”と明確なデマの方向には煽らないなど、絶妙なラインで炎上を切り抜け、全てをエンターテインメントにしてしまった。

常にテレビの常識と戦い、笑いと感動を生み出し続ける『水ダウ』

『水曜日のダウンタウン』が支持されるのは、現在のバラエティ番組にはなくなってしまったチャレンジ精神が旺盛なことが最大の理由だろう。

今回の企画でも、普通の番組制作者なら炎上リスクを考え、事前に番宣やSNSで煽るようなことはしない。コンプライアンスの遵守がテレビ業界で蔓延(まんえん)する中で、当然の判断になる。

しかし、そのリスクを犯してでも、企画をとにかく面白くしたいという思いが、スタッフから感じられる。

ちなみに、この番組はテレビ業界で名誉とされる「ギャラクシー賞」を何度も受賞している。そんな権威ある賞を受けながら、常にギリギリのところで勝負する姿勢が、多くの視聴者の熱狂を生み出している。

そういったテレビマンの本気が伝わる番組だからこそ、視聴者は番組終了のデマに驚いたし、結果として自分たちも騙された事を知っても称賛の声を挙げるのだろう。

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