メラノーマは、表皮の基底層にあるメラノサイトが悪性化した皮膚がんです。背中・胸・手足の付け根など体のどこにでも発生します。
ほくろと似ているため見分けるのが難しいのもメラノーマの特徴です。今回は、メラノーマが背中にできた際の対処法・検査法・治療法などを紹介していきます。
≫「メラノーマの初期症状」はご存知ですか?なりやすい年齢層も解説!【医師監修】
監修医師:
高藤 円香(医師)
防衛医科大学校卒業 / 現在は自衛隊阪神病院勤務 / 専門は皮膚科
メラノーマとは
皮膚のメラノサイトが悪性化しメラニン色素を大量に作るため、患部が黒色になります。ただし、メラニン色素を作る量が少ないと褐色や茶色、ほとんど作らない場合には淡紅色になるケースもあります。人種間で罹患率に差があり、白人で顕著に高いのも特徴です。
日本人では10万人あたりで1~2人程といわれており、希少がんとされています。メラノーマには、症状や形態から次のように5つのタイプに分けられています。
表在拡大型
結節型
悪性黒子型
末端黒子型
粘膜型
表在拡大型は、背中・胸などの体幹や手足の付け根などの下肢にメラノーマができやすいタイプです。紫外線の照射と関係している可能性が高く、シミのような見た目で一部が徐々に隆起します。患部が黒色のものや赤色のものもあり、遺伝子変異がみられるのも特徴です。
メラノーマが背中にできた場合は?
メラノーマは、皮膚がんのため全身に生じる可能性があります。背中にもできることがあるため、注意が必要です。
メラノーマ特有の症状を確認する
黒いシミが徐々に広がっていくのがメラノーマです。ほくろと似ているため見分けるのは難しいでしょう。以下の6点がメラノーマの特徴であり、ほくろと見分けるポイントになります。
形が非対称
縁どりが凸凹
色の濃さが不均一
大きさが7mm以上
隆起している
大きさや形の変化
メラノーマはタイプによって進行度が変わり、進行が早いタイプもあります。上記の症状や兆候が出ている場合は、早めに医療機関で受診しましょう。
患部に刺激を与えないようにする
メラノーマの原因は明らかではありませんが、紫外線・皮膚の摩擦・圧迫などの外的刺激が関係しているとされています。
また、メラノーマの治療中は全身の免疫機能も低下します。患部への刺激によって患部自体や全身状態が悪化する場合もあるため、できる限り患部への刺激を与えないように気をつけましょう。
皮膚科を受診する
メラノーマは皮膚がんの一種で、背中・胸・手足・爪下部などさまざまな場所に生じます。気になる症状がある際には、皮膚科で受診しましょう。
また、口腔内・鼻・膣などの粘膜や眼球内などの皮膚以外に生じるケースがあります。生じた部位に応じた専門の診療科を受診し、医師の判断を仰ぎましょう。
配信: Medical DOC