課題は十人十色 自分に合った糖尿病治療をおこなうことが大切
編集部
注意する項目が多くて、大変そうですね……。
廣田先生
いろいろな例を見てきましたが、一概に糖尿病と言っても、食事の課題は人それぞれ違います。やせている人がそれ以上やせる必要はないですし、ジュースを日頃ほとんど飲まない人が飲む量をそれ以上減らす必要もありません。栄養バランスが崩れないよう、ほかに考えないといけないことはたくさんあります。それぞれちがった課題を自分で見つけて、対処していくのはなかなか大変です。
編集部
栄養バランスを崩さないためには、どうすればいいのでしょう?
廣田先生
すでに糖尿病を診断されている方には「栄養指導」をオススメしています。「栄養指導」というと、指導だから怒られるのではないか、などと身構えてしまう方も多いでしょう。しかし、実際にはあなたの課題を見つけてくれる「検査」や「相談」のような役割があります。あなたにとって多すぎるもの、少なすぎるものを見つけてくれて、更にその上で、どうしたらよいかプロが一緒に考えてくれるのが「栄養指導」です。自分が摂っている食事が「ちょうど良い幅」におさまっているかどうか、ぜひ栄養指導を受けてみると良いと思います。
編集部
最後に読者へメッセージをお願いします。
廣田先生
この記事では、ごく一部ですが、糖尿病の食生活で気をつけたほうが良い点を挙げました。そういったポイントを、実際に自分の食生活に落とし込んでいくことは簡単ではありません。食事は自分の好みだけで選べません。準備も含めて食事にかけられる時間、受けてきた教育、お金、家族、アレルギー、アクセスの良いスーパーや飲食店など、あなたの人生の様々な線が複雑に絡み合って、自分の食事を選んでいます。自由なようで自由ではない食事の選択の中で、栄養のことまで考えるのはとても大変だと思います。栄養の知識も、一朝一夕で修めることはできません。ぜひ、プロである管理栄養士とともに考えて見てほしいと思います。
編集部まとめ
「糖尿病だからといって絶対に食べてはいけないものは基本的にない」というのは驚きでした。“食事管理”と聞くと、食べるものが制限されるというイメージがありましたが、食べ物より「量・頻度」が大切とのことです。もちろん、甘いものだけの生活が悪いという話ではなく、栄養素やカロリーをちょうど良い幅の中におさめると良いでしょう。自分の血糖値が気になる方は、専門家に栄養指導を受けてみることを検討してはいかがでしょうか。
配信: Medical DOC
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