3、どうして「教師」なのにいじめるのか
教師がいじめる。
誰もがこのことに違和感を感じるのではないでしょうか。
その理由は、教師の職業柄、児童・生徒にいじめはいけないと教える立場であり、またいじめがあれば解決する立場であるからです。
そんな教師たちでありながら、なぜいじめをしてしまうのか。
以下で、その原因を考えていきます。
教師なのに、ではなく、教師だからこそ、がみえてくるかもしれません。
(1)ヒエラルキーの世界
教師の世界はヒエラルキー色が強い世界といえます。
役職における権限が明確であるため上下関係がつきやすく、そこから主従関係につながります。
他人間での形式的な主従関係は、ハラスメントの温床と言っても過言ではありません。
(2)「こうあるべき」が強い
教師とは、子どもたちに教えていく職業ですから、「こうあるべき」という思いの強い教師は多いもの。
後輩に対しても「こうでなければ教師ではない」「こうでなければ昇進は無理」というように、あるべき教師像を押し付けてしまうことも少なくないでしょう。
価値観が多様化する現代においてはこの発想を苦痛に感じる教師も多いでしょうが、年配教師の中には今もこのような考えを持つ人は多くいるものと思われます。
(3)必ずしも人格者ではない
実は、「教える」ことと「自分ができている」ことは、別の次元の話です。
そのため、素晴らしい人間像を道徳で教えることはできても、自分がそうかというとそうではない、というケースも往々にしてあります。
教員採用試験で人格者が採用されるわけでもありません。
教師だからといって人格者とは限らないのです。
4、教師間のいじめにあった場合の対応策
教師間のいじめにあった場合、どういった対応策があるのでしょうか。
(1)まずは理由を客観的に考えて
いじめられた原因を客観的に考えてみましょう。
どんな事情があろうともいじめは加害者が悪いことは明白です。
ですが、いじめを解決するには、何が原因であったのかを置き去りにすることはできません。
そうすることで、対策が出てきます。
大きくは、
何か相手の気に触ることをしてしまった → 謝罪
何も心当たりはなく、単なる相手の気まぐれ → 無視
というような具合です。
この原因の考察は、自分だけで正確に結論を出せるものではありません。
周囲への相談もし、できれば味方になってくれる人が1人でもいれば、心強くなることでしょう。
(2)ブレないこと
いじめ対策において大切なのは、ブレないことです。
とはいえ、もともとブレないオーラ全開の方は、いじめられることはないのかもしれません。
ブレてしまうからこそ、加害者はいじめの手応えを感じてしまうのです。
ブレないためには、自分を信じることが大切ですが、性格や育ってきた環境によりこれをにわかにできない大人は多いと思います。
そんな方は、やはり「味方」を見つけることです。
人生において味方を見つけることは、ロールプレイングゲームの中で味方を見つけるような単純で簡単なことではありませんが、人間関係というのは自分の心の鏡でもあります。
あなたが真摯に、謙虚に信頼し、思いやりをもって接していれば、きっと相手も同じように思ってくれているはずです。
理解者に支えられることで、いじめやパワハラに屈しない気持ちになることができるでしょう。
(3)いじめの証拠を残す
いじめはあってはならないことです。
とはいえ、いじめが発生している現場では、事なかれ主義もまだまだ横行しているかもしれません。
しかし適切な第三者に公表することにより、今の時代ならそのいじめは必ず叩かれることでしょう。
避けても避けても継続する、または関係上避けることができずどうしようもないときは、とにかく証拠を残しておくこと。
そうすることにより、その現場以外の人に訴えていくことができますから、必ず味方は現れます。
具体的には音声や画像などで残しておくこと。今後必ず役立つでしょう。
配信: LEGAL MALL