「内視鏡検査前日の食事」は何を食べたらいいの?医師が徹底解説!

「内視鏡検査前日の食事」は何を食べたらいいの?医師が徹底解説!

内視鏡検査前日の食事はどうすべき?Medical DOC監修医が大腸内視鏡や胃カメラ前日の食事メニュー/消化の良い食べ物/悪い食べ物等を解説します。

≫「大腸内視鏡検査の前日に食べてしまった」どうすればいい?医師が徹底解説!

監修医師:
伊藤 陽子(医師)

浜松医科大学医学部卒業。腎臓・高血圧内科を専門とし、病院勤務を経て2019年中央林間さくら内科開業。相談しやすいクリニックを目指し、生活習慣病、腎臓病を中心に診療を行っている。医学博士、産業医、日本内科学会総合内科専門医、日本腎臓学会腎臓専門医、日本透析医学会透析専門医、日本東洋医学会漢方専門医、日本医師会認定産業医、公認心理師。

内視鏡検査(大腸内視鏡・胃カメラ)の前日の食事はどうしたらいい?

内視鏡検査の前日には、守らなければならない食事の制限があります。なぜなら、消化しやすい食品を食べなければ、翌日の内視鏡検査に影響してしまうからです。
しかし、何を食べて良いか判断が難しいこともあるでしょう。
内視鏡検査前の食事は「なにを食べたら良いか」「なにを食べてはいけないのか」を知るだけで対策ができます。特別な食事を準備しなくても、自炊やコンビニでも安価に調達が可能です。

内視鏡検査(大腸内視鏡・胃カメラ)とは?

内視鏡検査は、細い管の先に付いた小さなカメラ(内視鏡)で、患部を直接観察する検査です。
胃カメラは口から内視鏡を挿入し、食道、胃、十二指腸までを観察します。一方、大腸内視鏡は肛門から内視鏡を入れて、直腸から盲腸までの大腸粘膜を観察します。
内視鏡は検査と同時に生検検査や治療を行うことも可能です。食事制限や手技の前の処置、内視鏡挿入時の違和感はありますが、直接病変を観察でき必要があれば生検検査や切除も検討できることは大きなメリットであると考えられます。

内視鏡検査(大腸内視鏡・胃カメラ)前日の食事メニュー

内視鏡検査を受ける前日の食事メニューは「消化しやすいものを少量~適量」が基本です。
・炭水化物
・少量のたんぱく質
これらは消化しやすく、検査当日には胃腸に残りません。

自炊ができるなら、以下のメニューがおすすめです。
・豆腐、鶏ささみ、とろろ芋を具材にしたうどん、そうめん(温・冷)
・牛肉のフォー(出汁の脂は取り除き、具は少量の牛赤身肉のみ)
・鶏ささみと、かまぼこ、ちくわなど魚肉加工品を具にしたビーフン
・塩や醤油で味付けした、潰し芋をはさんだサンドイッチ(バター、マヨネーズは加えない)
・卵かけごはん

コンビニで買うなら、塩おむすび、和風おかゆなどが安心です。おむすびは海苔が付いていないものを選びましょう。
食事を準備するのが手間な方、制限があってもいろいろなメニューを食べたい方向けに、内視鏡検査用のレトルト食品があります。検査する病院で聞いてみましょう。

内視鏡検査(大腸内視鏡・胃カメラ)の何時間前から食事は控えた方がいい?

午前に内視鏡検査を行う場合は、前日の20時までに食事を済ませましょう。(21時までと指導する医療機関もあります、時間は医療機関の指示に従って下さい)
翌朝9時に検査開始と仮定すると、13時間前には食事を控える計算になります。
人が食べ物を消化して排出するまで70時間以上かかります。食べた食事が胃で消化するのに2~3時間、小腸に入り栄養を吸収する時間が7~8時間、大腸に入り水分を吸収しながらS字結腸まで運ばれるのに約30時間、直腸にいる時間が約30時間です。
大腸内視鏡検査は下剤を服用するため、大腸に留まる便は検査前に排出されます。胃で消化されてから小腸で栄養吸収されるまでの時間は、ほぼ12時間と仮定できます。
消化能力は個人差があり、さらに長い時間かかることがあります。13時間以上の絶食は大変ですが、万全の態勢で挑みましょう。

内視鏡検査(大腸内視鏡・胃カメラ)当日・検査前の食事の注意点

内視鏡検査の当日は、原則的に食事はできません。
しかし午後から検査する場合は、検査内容、検査機関により早めに朝食だけ食べることができることもあります。
医療機関により指示が異なることもあります。必ず医療機関の指示に従って下さい。

内視鏡検査(大腸内視鏡・胃カメラ)当日の食事メニュー

当日検査前には、基本的に食事を摂取できません。脱水にならないように水やお茶など透明な水分のみ摂取可能です。しかし、水分を過剰に摂りすぎると嘔吐の原因となるため、少量にとどめましょう。
午後から検査する場合に限り、検査日当日に消化の良い食事を食べることができる場合もあります。検査機関に必ず問い合わせをしましょう。

内視鏡検査(大腸内視鏡・胃カメラ)前に食事をしてしまった場合はどうしたらいい?

その場で検査する病院、機関に「食事をしてしまった」ことを電話で伝え、指示を仰いで下さい。
その際に「何時ごろに」「どの食品を(パン、ごはんなど)」「どれくらい食べたか(一口か、1食丸ごとか、など)」を伝えましょう。
原則的に、食事をしてしまった場合は検査が延期になることが多いです。だからと言って黙って検査を受けるのは絶対に止めましょう。内容物が残った状態では、正しく検査できなくなります。

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