「内視鏡検査前日の食事」は何を食べたらいいの?医師が徹底解説!

「内視鏡検査前日の食事」は何を食べたらいいの?医師が徹底解説!

内視鏡検査(大腸内視鏡・胃カメラ)当日・検査後の食事の注意点

検査が終われば、やっと食事が食べられる…と喜びたくなりますが、検査直後には食べられません。安全に食事するためにも、きちんと手順を踏んで対策しましょう。

内視鏡検査(大腸内視鏡・胃カメラ)何時間後に食事はできるの?

トラブルがなければ、おおよそ1時間後から食事ができます。
胃カメラや大腸内視鏡では、局所麻酔を使うことが一般的です。麻酔が切れるまでは飲食ができません。麻酔が切れる前に飲食をすると誤嚥の原因になり、窒息死や誤嚥性肺炎を起こすリスクがあるからです。
麻酔は1~2時間後に切れるので、完全に覚醒した後から食事を食べることができます。
食事の前にまず1杯の水を飲み、調子が良ければ食事をしてもかまいません。気分が悪くなったら、しばらく何も食べずに安静にしましょう。

内視鏡検査(大腸内視鏡・胃カメラ)後の食事メニュー

内視鏡検査だけの場合は、検査当日の食事メニューは軽めのメニューが良いとされています。カレーやトウガラシなど刺激物、消化に時間がかかる脂ものは避けましょう。
脱水にならないよう、水や麦茶、スポーツドリンクなどで、こまめな水分補給を行います。いきなり食事を詰め込むと胃腸の負担になるため、検査当日は腹八分目程度に留めましょう。
ポリープ切除、生検(患部の粘膜、細胞を採取すること)などで胃腸に傷がある場合は、場合によっては検査当日絶食になることがあります。次の日から流動食から再開し、徐々に通常食に戻していきます。
食事指導は検査内容、医療機関により変わります。医療機関の指示に従い、疑問点があれば医師に相談しましょう。

内視鏡検査(大腸内視鏡・胃カメラ)前後に薬の服用や喫煙はしてもいいの?

検査前、検査後にかかわらず、喫煙は絶対に止めましょう。検査前は飲酒も禁止です。
アルコール摂取は胃腸の動きを活発にします。出血リスクを上げ、重大事故の引き金になるからです。タバコも胃腸の動きに悪影響を与えます。
喫煙、過度な飲酒は、がんリスクを上げることが知られています。取り返しがつかなくなる前に禁煙しましょう。
薬の服用は事前に医療機関と相談になりますが、一部の薬は服用しても良いことがあります。
その際は服用時間が決められるので、時間を守って服用しましょう。

内視鏡検査前日におすすめの消化の良い食べ物

内視鏡検査前日は、すぐに消化できる食品だけ食べることができます。「精製された穀物」「食物繊維が含まれない食品」「脂が少ない肉、魚」なら、基本的に食べられます。
詳細は医療機関の指導に従って下さい。
食べ方、調理法も大切です。消化しやすいように細かく刻んで調理する、ゆっくりよく噛んで食べることも心がけましょう。調理法は調理油を使わない「茹で」「蒸し」「レンジ調理」が安全です。

白ごはん、うどん、そうめん

精製された穀物の代表格といえば、白ごはんと精白小麦です。米ぬかや内皮を取り除いた白米は消化が良く、検査前日の食事にぴったり。腹持ちが良いので、検査までの空腹に耐えられやすいのも良いところです。おかゆ、餅も消化が良い食品ですが、塩や醤油でしか味付けはできません。
うどん、そうめんは小麦が原料で、調理しやすく食欲がない時にも食べられます。そうめんは油を塗って加工しているので、茹でたら流水でしっかり麺を洗いましょう。
フォー、ビーフンなど、米粉が原料の麺もおすすめです。
パンは食パン、ロールパン、フランスパンは良いとされていますが、ジャムやバターは塗ってはいけません。
小麦が原料ですが、パスタは原則禁止です。蕎麦は蕎麦の実の食物繊維が含まれるので、避けた方が無難です。

鶏ささみ肉、牛豚の赤身肉、白身魚

肉類は意外と消化しやすい食品です。バラや鳥皮など、脂の多い部位を避ければ、少量食べることができます。(肉を控えるように指導する医療機関もあります)
肉は鶏ささみ、むね(皮は取り除く)、牛豚肉のロース、カタ、ももなど赤身の部位がおすすめです。
油を使った調理ができないので、茹でてポン酢で食べるなど、調理に工夫が必要です。
魚はタイやカレイ、タラ、サワラなど白身魚なら食べられます。サバやサンマのように脂が多い魚種は避け、脂が少ない魚種を選びましょう。
はんぺん、魚肉ソーセージなど、魚肉加工品も食べられます。しかし、さつま揚げなど揚げたものはNG。揚げているかどうか分かりにくい商品は避けましょう。

じゃがいも、皮をむいた長芋

野菜や果物は食物繊維が多く、食べられるものはごく限られます。
じゃがいも、長芋、バナナ(すべて皮をむく)は消化が良く、例外的に食べられる野菜果物です。
野菜がない食事を不健康に感じる方は、これらを少量摂取しましょう。
気を付けたいのは、近い仲間の食品には向かないものがあることです。同じ芋の仲間でも、サツマイモは食物繊維が多く、検査前日の食事には向きません。

卵、豆腐、プリンなど

鶏卵、豆腐は消化が良く、内視鏡検査の前日の食事にはぴったりです。
豆腐は冷ややっこや湯豆腐、焼き豆腐など、調理のバリエーションが楽しめます。冷ややっこは醤油だけかけましょう。
卵は、ゆで卵がおすすめです。塩をかけるだけで食べられ、腹持ちが良く、ボリュームがあります。温泉卵、テフロンのフライパンで油を入れずに焼くのもおすすめです。
菓子類はプリン、ゼラチンで固めたゼリー、色の付いていない飴なら食べても問題ありません。

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