内視鏡検査前日は制限したほうが良い消化の悪い食べ物
消化が悪い食べ物は「食物繊維」と「脂質」です。食物繊維は人間の胃腸では消化できません。食物繊維は血糖値の上昇を穏やかにして、便の量を増やすはたらきがありますが、胃腸に残りやすいので検査前には摂取を控えましょう。脂質は消化に時間がかかり、胃壁や腸壁に残ると検査の妨げになります。
脂が多い食品
バラ肉、鶏皮、揚げ物、スナック菓子など、脂が多い食品は食べられません。油で調理するのも控えましょう。
脂は消化に時間がかかるので、前日に食べると検査まで残りやすくなります。診断の妨げになり、病変を見逃すリスクを上げてしまいます。
正しく検査するためにも、最低限でも検査前日は脂を控えましょう。
こんにゃく、多くの野菜、豆類、果物
野菜や果物、豆類など食物繊維が多い食品は検査3日前から減らし、前日には控えましょう。
ゴボウ、大根など根菜類、小松菜など青菜、さつまいも、トウモロコシ、寒天やワカメなど海藻、キノコ類など、大半の野菜には豊富な食物繊維が含まれています。ゴマやナッツ類、漬物、納豆などの豆類、玄米なども消化に悪いため食べないようにしましょう。
特に、こんにゃくは食物繊維の塊です。こんにゃくゼリーなど菓子にも含まれているので、ゼリー状のお菓子を食べる時はこんにゃく、寒天が含まれていないか、原材料を確認しましょう。
麺類でも緑豆春雨、パスタは、同様の理由で消化しにくい食品です。検査前日には控えましょう。
乳製品
牛乳、ヨーグルト、チーズなど乳製品には脂肪が含まれています。消化しやすそうに見えますが、検査前日の摂取は控えましょう。
気を付けたいのは、コーヒーや紅茶を飲む習慣がある方です。検査前日でもコーヒー、紅茶は飲めますが、ミルクを入れてはいけません。ブラックティー・ストレートティーで楽しみましょう。
「内視鏡検査(大腸内視鏡・胃カメラ)」で発見できる病気・疾患
ここではMedical DOC監修医が、「内視鏡検査(大腸内視鏡・胃カメラ)」に関する病気を紹介します。
どのような病気や症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
大腸がん
大腸がんは初期症状がほとんどありませんが、進行すると腹痛、便通の悪化、赤黒い、または赤い血便、細い便しか出ないなど、さまざまな症状が現れます。
大腸がんは小腸に近い右側と、肛門に近い左側で自覚症状が大きく異なります。左側は腹痛や血便などが出やすく、右側はあまり自覚症状がない傾向があります。
必ず、年に一度は健康診断で、便潜血検査を行いましょう。早期であれば完治が期待できます。もし陽性の結果が出たら、できるだけ早く消化器内科、消化器外科にご相談下さい。
大腸ポリープ
大腸ポリープは浸潤や転移などがない、大腸内部の粘膜にできたイボの総称です。
大腸ポリープは「腺腫」という種類が多く、成長するとガン細胞を含む可能性が高くなります。そのため6mm以上の腺腫は切除が勧められます。
大腸ポリープは初期症状のうちは自覚がありませんが、成長すると便の通りを邪魔して便秘や下痢を繰り返す、腹痛、出血などの症状が現れます。これらの症状が続くときは、すぐに消化器内科や消化器外科を受診しましょう。
胃がん
胃がんは胃の粘膜に発生するがんの総称で、胃カメラで確認することができます。多くの胃がんは胃の粘膜から発生し、徐々に胃壁の奥へ浸潤し、さらに脾臓など他の臓器へ転移します。胃の粘膜に留まっている初期のうちに手術などで対策することが大切です。
胃がんは初期症状がほとんどありません。進行すると胃痛など胃の違和感、胸やけ、吐き気などの症状が現れます。貧血、食事が詰まるような感覚、体重減少、黒い便が出ることもあります。
これらの症状が続く時は、できるだけ早く消化器内科を受診して下さい。
胃がんの早期発見のためにも毎年、定期健診で胃のX線検査か、胃カメラを使った内視鏡検査を行いましょう。
胃がんの原因としてピロリ菌の感染が挙げられ、この除菌治療を行うことで胃がんリスクを下げることができます。
胃ポリープ
胃ポリープは浸潤や転移がない、胃粘膜にできるイボの総称です。胃底腺ポリープ、過形成性ポリープ、特殊型(炎症性、症候性、家族性)の3種類があり、多くが炎症のない胃底腺ポリープか、ピロリ菌感染が原因の過形成性ポリープです。
過形成性ポリープはピロリ菌感染が原因で起こる、炎症性のポリープです。ピロリ菌を除菌すると改善することが多いため、早急な診断と治療開始が必要です。がん化リスクがあるため、経過観察は必ず続けましょう。
胃ポリープの多くは自覚症状がなく、胃カメラで偶然見つかることがほとんどです。治療は消化器内科で行います。
配信: Medical DOC