【AI時代】岐路に立つ「アパレル販売員」 かつては考えられなかった「もはや不可欠」なスキルとは

【AI時代】岐路に立つ「アパレル販売員」 かつては考えられなかった「もはや不可欠」なスキルとは

 さまざまな職業のあり方や従事者の働き方が変化している現代社会。AI技術の普及により、ルーティンワークの類いは将来的になくなるのではとも指摘されています。一方、どのような職業であれ従事者に対しては、創造力や複雑な判断をこなせるスキルがいっそう求められるようになっていくと言われています。客にファッションアイテムを薦めるアパレル販売員も、こうした変化の波を受ける職業の一つです。

販売員は果たして“ルーティンワーク”なのか?

 人間の創造力や感性、複雑な判断を必要とする職業として今後もニーズが変わらないとされている職業の一例としては、医師や看護師、クリエイティブなデザイナーやカウンセラー、人間力や想像力が試される営業職など。人間の直接的な関与が求められる職業はその代表例です。

 これらの職業は、技術の進化により効率化されることはあっても完全に置き換わることは難しいと考えられています。

 アパレル店員の場合、従来の店舗での接客販売だけでなくオンラインでのスタイリング提案やSNSでのマーケティング活動など、その役割は近年とみに多様化しています。顧客との対話や個別のファッションアドバイスなど、機械では代替できない部分に強みを持つことで、生き残りを図ることが求められています。

レンタル、ネット通販の伸びが業界にもたらしたこと

 業界にとって大きな変革となったと言えるのが、近年いっそう市場が拡大しているレンタルファッション、およびネット通販です。

 イベントやシーズンに合わせたアイテムを一時的にレンタル利用する“サブスク”サービスであるレンタルファッションは、利用客の好みやスタイルなどから似合うアイテムをコーディネートする「パーソナルスタイリスト」という新しい仕事を生み出しました。しかし今後は顧客データが蓄積されることにより、人間ではなくAIがその役を担う可能性は十分考えられます。

 また、コロナ禍以降さらに需要の高まったネット通販は、それにより実店舗の売り上げを圧迫しているという側面があります。そのため従来の実店舗は、店舗での接客・販売だけでなくオンラインでの存在感をどう高めるかが重要な課題となっています。アパレル販売員一人一人にとっても、個別の客へどうリーチするか、また自身のプレゼンスをいかに高めていくかは避けて通れない課題と言えるでしょう。


ファッションアイテムはいつの時代も人々をわくわくさせる

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