【耳の穴かっぽじって聞け!】「菅田将暉の弟」のタイトルでまっすぐな思いを綴った「こっちのけんと」のリアル

 深夜のテレビ番組は琴線に激しく触れることがままある。深夜2時半過ぎに放送中の「耳の穴かっぽじって聞け!」(テレビ朝日系)はそんな番組の1つだろう。

 この番組は「文は人なり」をコンセプトに、ゲストが本音で書いた文章を音声化。それをお笑いコンビ・とろサーモンの久保田かずのぶと、同じくお笑いコンビ・ウエストランドの井口浩之が本音で語り合うというもの。

 8月20日深夜放送の同番組では「家族にスターがいる人の本音」として俳優・菅田将暉の弟でマルチクリエイターの「こっちのけんと」が「菅田将暉の弟」というタイトルで文章を執筆。文章が音読される前に本人のインタビューが流れたのだが、兄である菅田のデビュー作が2009年放送の「仮面ライダーW」(テレビ朝日系)だったため、「最初はただただうれしかったというか、誇らしくて」と「こっちのけんと」は笑顔で回顧。

 しかし「お兄ちゃんと思ってる成分と菅田将暉と思ってる成分が、じょじょにお兄ちゃんと思ってる成分が下がっていく感じというか、なんか自分の中で勝手に距離を置いちゃうみたいな」と気持ちの変遷をわかりやすく説明。その後、今回の文章を書いている途中で「めっちゃ泣きましたね」と告白。また、誰かと比較され、自分でもうすうす気づいてはいるものの、他人からそれを指されて、気力が落ちてしまっている人に自分が書いた今回の文章が届けばうれしいとも明かした。

「こっちのけんと」が中1の時に菅田が急に家からいなくなり、ある日突然「仮面ライダーW」としてテレビに映り、涙が出るくらい感動したそうだが、その後、自分が「いじめ」のターゲットとなり、高校時代はネット上に同級生から詳細なプライベートが書き込まれたことも。その日から「兄の顔に泥を塗らないように」「理想の菅田将暉の弟でいるように」誤った努力をしまくったそう。

 大学生になってアカペラと出会い、3年生の時には全国大会で優勝。同時期に菅田はアカデミー賞で「最優秀主演男優賞」を受賞。さらに歌手デビューも果たしていたため、「ふざけるな」とどこに対する怒りなのかわからない思いがあふれたという。兄に「音楽」を「盗られた」気がしていたとも明かした。

 それでも自分を褒めてくれる菅田の器の大きさに崩れ落ち、再び「理想の菅田将暉の弟」になるための努力を始め、上場企業に就職。が、入社後1年で鬱と診断され退職。きれいな理想を追いかける「あっちのけんと」の限界に気付き、やりたいことしか続かないと気付いた「こっちのけんと」が誕生したそうだ。

「こっちのけんと」が広く知られるきっかけとなった楽曲「死ぬな!」は、この頃の自分に向けて送った手紙だったとも明かした。兄を「宝」と言い切り、こんなにすごい兄がいて腐らずにいられるのは兄のおかげだ、兄が自分を認めてくれているからこそ「こっちのけんと」を作れたとも。

 最後は、10年後くらいには兄の菅田、弟で俳優をしている菅生新樹と3人で笑いながら深夜ラジオでこんな話ができたらいいなと勝手に思っていると締めくくった。

 今年5月に配信した楽曲「はいよろこんで」のMVの再生回数は6000万回超え、YouTubeなどSNSでの総再生回数は60億回を超え、韓国や台湾の音楽チャートでも1位を獲得。ヒットメーカーとなった「こっちのけんと」の魅力は、この「リアル」に尽きるよな、とクーラーが少し寒いくらいに感じられるようになった深夜の部屋でしみじみと思った。

 弟の菅生も放送中のドラマ「伝説の頭 翔」(テレビ朝日系)では主人公・翔(高橋文哉)の右腕・大門伝助役をいかつく演じ、今年下半期放送のNHK朝ドラ「おむすび」ではヒロイン・結(橋本環奈)の幼なじみで高校の同級生・古賀陽太役をオーディションで勝ち取ったというから、兄弟3人の深夜のラジオ番組トークは年明け頃に開催しても、なかなか聞きごたえのある展開になりそうだ。

(森山いま)

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