歯の黄ばみを防ぐには?
【画像】食べ過ぎに要注意! これが歯が黄色くなる“飲食物”です
コーヒーや紅茶をよく飲んだり、カレーやキムチなどをよく食べたりする人の中には、歯が黄ばんだり、歯の表面に黒い汚れが付着したりすることがあります。この場合、歯をしっかり磨いても改善しないことがあり、悩む人は多いと思います。
歯が黄ばんだり、歯に黒い汚れが付着したりするのをできるだけ防ぐには、どのような取り組みが必要なのでしょうか。注意点やコツについて、幸町歯科口腔外科医院(埼玉県志木市)院長で歯科医師の宮本日出さんが解説します。
研磨剤入りの歯磨き粉で黄ばみが悪化する恐れ
歯が黄ばんだり、歯に黒い汚れが付着したりするのをできるだけ防ぐには、自宅でのケアが重要です。自宅ケアの基本は、ホワイトニング効果のある歯磨き粉で着色対策を行うことですが、気を付けたいのは歯磨き粉の選び方です。リン酸カルシウムや酸化アルミニウム、無水ケイ酸などの研磨剤を含んだ歯磨き粉は、歯の表面を傷つけてしまうことがあります。
最近は改善されてきましたが、一昔前に使われていた荒い粒子の研磨剤は一時的に着色が落ちるものの、表面が粗造になるため、使用するとかえって歯が着色しやすい状態になります。
歯磨き粉は、清掃助剤に区分されるピロリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム配合の製品を選びましょう。化学的に着色を浮かせて除去するため、歯の表面に傷がつく心配もありません。
着色を自分で落とそうとすると歯ブラシに力が入り、かえって歯茎を傷つけてしまいやすいです。また、歯の裏側は自分では確認しにくいでしょう。今は細かい粒子を吹きかけるだけで着色が除去できる装置もあるため、歯科医院の定期健診で着色汚れを取ってもらい、歯磨き粉で自宅でのセルフケアを行うのをお勧めします。
歯の黄ばみの原因は、エナメル質にあるミネラル成分が溶け出して歯の表面に凸凹が生じ、光が乱反射して歯の輝きがなくなることです。この状態を「脱灰」と呼びますが、原因は虫歯菌が出す酸です。虫歯菌の栄養になる菓子などをダラダラと食べると脱灰の状態が長引き、唾液の効果で歯の表面を修復する「再石灰化」も追いつきません。黄ばみ対策として、菓子は食べる時間を決めるとともに、短時間で食べるようにしましょう。
また、歯の黄ばみリスクが高い食べ物や飲み物もあります。レモンやオレンジといったかんきつ類のほか、炭酸飲料や酢、梅酒、ワイン、スポーツ飲料など、酸性のものを摂取すると脱灰の原因となります。一方、脱灰のリスクが低いのは、チーズといった乳製品や肉、魚など、アルカリ性の食べ物のほか、水やお茶といった砂糖が含まれていない飲み物です。
歯の黄ばみは、加齢によっても起こります。エナメル質が薄くなり、内部の象牙質が見えるようになることが、加齢による黄ばみの原因です。この現象を完全に止めることは難しいため、歯、特に象牙質の水分を抜いて漂白することで本来の歯よりもさらに白くする、いわゆる「漂白ホワイトニング」を歯科医院で受けるのがベストな対策となります。
また、歯科医院専用の薬剤と反応を高めるライトを併用する「オフィスホワイトニング」は、短期間で歯を白くできます。歯科医師である私自身、歯の白さを維持するために、年3〜4回のオフィスホワイトニングを受けています。
歯の黄ばみや歯の着色汚れが気になる場合、自宅でしっかりケアをするのはもちろん、ホワイトニングの治療を得意とする歯科医院に相談してみてはいかがでしょうか。
配信: オトナンサー
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