【危険】「どうせ痩せれない」と放置するな 肥満が体に与える悪影響はこんなにある

【危険】「どうせ痩せれない」と放置するな 肥満が体に与える悪影響はこんなにある

肥満は単なる体重増加に留まらず、全身の健康に深刻な悪影響を及ぼす可能性のある状態です。具体的に、どんな悪影響があり、どんな疾患のリスクを高める原因となるのでしょうか? 肥満が身体に与える悪影響について、「そのだ内科糖尿病・甲状腺クリニック渋谷駅道玄坂院」の薗田憲司先生に解説してもらいました。

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監修医師:
薗田 憲司(そのだ内科 糖尿病・甲状腺クリニック渋谷駅道玄坂院)

日本医科大学卒業。その後、東京都済生会中央病院糖尿病・内分泌内科などで経験を積む。2023年、東京都渋谷区に「そのだ内科糖尿病・甲状腺クリニック 渋谷駅道玄坂院」を開院。日本糖尿病学会専門医、日本内科学会認定医。著書は「“血糖値”を制して脂肪を落とす! 最新エビデンスと実体験からわかった最強血糖コントロールダイエット(美人力PLUS)」。

ダイエットって必要? 医師が解説!

編集部

スーパーやコンビニへ行くと、カロリーや糖質を制限したダイエット食品が多くありますね。

薗田先生

アジア人は比較的痩せている人が多い傾向にありますが、ダイエットをしている人は多いのです。ちなみに「ダイエット」という言葉は「減量」という意味で使われることが多いのですが、本来は「健康保持のために食事の量・種類を制限すること」という意味です。

編集部

美容のために痩せることがダイエットだと思っていました。

薗田先生

どちらかというと健康のためにダイエットしていただきたいですが、確かに外見がスレンダーになることで、気持ちが前向きになったり、自信がついたり、さまざまな良い影響があるので、きっかけはなんでも良いと思います。

編集部

やはり、ダイエットはしたほうが良いのでしょうか?

薗田先生

一概にそうとは言えません。成長期に無理なダイエットをすることで、将来の骨粗しょう症のリスクが上がることが報告されていますし、普通体型の人がストイックなダイエットをする必要もありません。私が推奨したいのは、あくまで肥満傾向にある人が、将来的な病気などを予防するためのダイエットです。

肥満が引き起こす疾患とは?

編集部

肥満だとどのような病気のリスクがありますか?

薗田先生

ありとあらゆる病気のリスクがあります。例えば2型糖尿病は肥満との関連が強いと言われていますし、高血圧や動脈硬化、心臓病、心筋梗塞、脳卒中などの心血管疾患や脳血管疾患のリスクも高めます。

編集部

生活習慣病との関連は聞いたことがあります。

薗田先生

それだけではありません。ほかにも過剰な脂肪が気道を圧迫することで起こる睡眠時無呼吸症候群や関節に過剰な負荷がかかることで起こる変形性股関節症や変形性膝関節症などのリスクも高まります。

編集部

そんなに多くの病気と関連があるのですね。

薗田先生

そうですね。あとは、男性であれば大腸がんのリスク因子にも挙げられていますし、女性は不妊症や乳がんとの関連も報告されています。

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