3、夫の不倫をやめさせるためにやってはいけないこと
夫に不倫され、しかもなかなかやめてもらえないと感情的になりがちですが、そんなときでもやってはいけないことがあります。
以下のような行為をすると逆効果となったり、自分に責任が発生することもあるので注意が必要です。
(1)別れさせ屋に依頼する
ネットで検索すると、「別れさせ屋」を営む業者がたくさんヒットします。
独自のノウハウで特定のカップルを別れさせることを請け負う業者ですが、このような業者に依頼することはおすすめできません。
なぜなら、これらの業者に依頼するには高額の費用がかかる上に、結果の保証は何もないからです。
別れさせることに成功したとしても、夫の不倫問題を根本的に解決することにはならないでしょう。
(2)SNSなどに書き込む
最近は誰でもSNSなどで簡単に情報を発信できるようになりました。
しかし、夫の不倫をSNSなどに書き込むことは控えましょう。
もし実名入りで書き込んでしまうと、名誉毀損罪が成立する可能性があります。
夫から訴えられることは考えにくいかもしれませんが、不倫相手の実名も公表した場合は訴えられる可能性が高いといえます。
匿名で書き込んだとしても、問題解決にはつながらないでしょう。
(3)不倫相手の自宅や職場などに怒鳴り込む
感情的になって不倫相手の自宅や職場などに怒鳴り込む奥さまもときどきいらっしゃいますが、このような行為も控えてください。
このような行為は
脅迫罪
建造物侵入罪
で訴えられるおそれがあります。
職場に怒鳴り込んだ場合にはさらに、
名誉毀損罪
業務妨害罪
が成立する可能性もあります。
(4)仕返しに不倫をする
夫への仕返しの目的でご自身も不倫をするのは、絶対にやめておきましょう。
不倫をしたところで何の解決にもならないばかりか、ご自身で離婚原因を作り、慰謝料の支払い義務も発生することになってしまいます。
4、夫がどうしても不倫をやめないときの対処法
では、夫がどうしても不倫をやめないときは、いったいどうすればよいのでしょうか。
(1)不倫をやめることを強制はできない
法律上、不倫をされてしまった場合に離婚や慰謝料請求をする手段はありますが、強制的に不倫をやめさせる手段はありません。
不倫問題は、根本的には夫婦の問題です。
法律は、夫婦が離婚するのかやり直すのかを話し合い、決める際の道具として使うものだとお考えください。
(2)別居する
離婚するつもりはないものの夫婦関係がなかなか改善できないという場合は、いったん別居してみるのもよい方法です。
不倫する夫のほとんどには、家庭を壊すつもりなどないものです。
いつも家にいて家事をしてくれる奥様がいなくなると、ようやくことの重大さに気付き、自分の行いを改める夫も多くいます。
(3)慰謝料を請求する
夫に不倫をされた妻は、離婚しなくても夫と不倫相手の2人に対して慰謝料を請求する権利を持っています。
そこで、実際に慰謝料を請求してみるのもひとつの方法です。
今まで奥さまと真剣に向き合ってこなかった夫も、
金銭が絡むこと
奥さまが本気であること
を感じ取ることで、不倫問題について真剣に考える可能性があります。
(4)離婚を検討する
どのような手を打っても夫が不倫をやめず、奥さまとしても我慢でない場合は、離婚を検討する必要があるかもしれません。
実例としても、「離婚はしない」という姿勢を全面に出してしまうと、夫はそれに安心し、なんら改心しないという例もあります。どうしても改心して欲しいのであれば、こちらもそれなりの覚悟を見せることが重要かもしれません。
ただ、離婚するのであれば
離婚条件(慰謝料、財産分与、親権、養育費など)
離婚する方法(協議離婚か裁判離婚か)
離婚後の生活
今後の人生設計
など考えるべきことがたくさんあります。
最終的に離婚するにしても、弁護士に相談して状況と気持ちを整理しつつ、冷静に検討することをおすすめします。
(5)弁護士に相談する
ご自身なりに努力をしても夫が不倫をやめてくれない場合、万策が尽き果てたという気持ちになってしまうことでしょう。
しかし、まだできることがあります。
弁護士に相談することです。
不倫事件の経験が豊富な弁護士に相談すれば、あなた方ご夫婦の状況に応じて、さらによい解決策を考えてくれることもあります。
また、弁護士に依頼すれば夫や不倫相手との話し合いを代行してもらうことができます。
専門家としての豊富な知識と経験に基づいて上手に交渉してもらうことで、あなたの希望する結果を得ることも期待できます。
配信: LEGAL MALL