いつの間にか“白い鼻毛”が増えた…病気の可能性は? 原因を耳鼻科医に聞く

鼻毛が白くなる原因や対策について、耳鼻科医に聞きました。

鼻毛が白くなる原因は?(画像はイメージ)

【画像】「えっ…!」 これが「鼻毛」を抜かない方がいい”理由”です(3つ)

 加齢とともに、白い鼻毛が増えたと感じることはありませんか。SNS上では「鼻毛が白くなっていてショック」「白い鼻毛が増えた。白髪は1つもないのに」という内容の声が上がっています。

 そもそも、鼻毛が白くなるのはなぜなのでしょうか。何らかの病気の可能性はあるのでしょうか。原因や対策について、耳鼻科医の瀬尾達さんに教えていただきました。

メラニンの生成に問題

Q.鼻毛が白く変色してしまうのはなぜなのでしょうか。

瀬尾さん「これは髪の毛や体毛にも同じことがいえるのですが、毛の内部に含まれる『メラニン』という色素が減少することによって起こります。実は体毛は産毛のころから色がついているのではなく、成長とともに徐々にメラニンが蓄積して黒くなっていきます。

メラニンの生成には『チロシン』という、食べ物などに含まれる物質が変化することで生成されるのですが、その生成が加齢などの理由によってうまくいかず、白いまま成長したものということですね。

加齢以外の原因としては、食生活の乱れや睡眠不足、ストレス、喫煙といったことも考えられます」

Q.「最近、白い鼻毛が増えてきたかも…」と感じるようになった場合、病気の可能性は考えられるのでしょうか。

瀬尾さん「症状の一つとして『体毛が白くなる』『白い体毛が多くなる』というケースはいくつか考えられます。

例えば、『小柳・原田病』という病気は、本来、体に害のないメラニン色素を異物と間違えて認識してしまい、防衛反応としてメラニンを壊してしまう病気です。メラニンが壊れてしまうため、鼻毛などの体毛が白くなってしまうことがあります。

次に、『橋本病』もしくは『甲状腺機能低下症』も考えられますね。その名の通り、甲状腺の機能が低下することで体の代謝が悪くなり、倦怠(けんたい)感やむくみなど、全身にさまざまな支障をきたす病気です。代謝が悪くなることで栄養成分が体に行き渡らなくなり、体毛が白くなるというわけですね。

あるいは、『尋常性白斑』という皮膚の色素を作る機能に異常がみられる病気もあります。これは白斑という名の通り、肌自体がまだらに白くなるのですが、その部分から生える毛も白いまま生えてきます」

Q.鼻毛が白くなるのをできるだけ予防するには、どうしたらよいのでしょうか。

瀬尾さん「先述のような病気ではなく、生活習慣に問題がある場合は改善が可能です。メラニンの生成を正常に行うには、ビタミンやミネラルなどの栄養素を食べ物からしっかりと摂取していただくことが重要ですね。

また、ストレスや睡眠不足もメラニンの生成に支障をきたすため、規則正しい生活を心掛けていただくと、毛の細胞の老化を軽減できるでしょう。

『予防する』という観点ではありませんが、白い鼻毛を見つけたからといってむやみに鼻毛を抜かないようにしましょう。無理に引っ張って鼻毛を抜いてしまうと、その部分が傷ついて炎症を起こしやすくなってしまいます」

* * *

 白い鼻毛が混じっていたら、ショックを受けてしまうかもしれませんね。ただ、加齢だけが原因で体毛が白くなるわけではありません。病気の原因の一つとして起きることもあれば、食生活や睡眠、喫煙などの生活習慣が原因であることも少なくないのだそうです。もし白い鼻毛が気になる場合、これまでの生活を振り返ってみるとよいかもしれません。

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