職場モラハラの具体例〜モラハラを継続させない対処法について弁護士が解説

職場モラハラの具体例〜モラハラを継続させない対処法について弁護士が解説

5、職場のモラハラは場合によって損害賠償請求も可能

モラハラが原因で屈辱を味わったり、休業や退職を余儀なくされたり、身体的・精神的に疾患を発症した場合、ケースによっては加害者を相手取った賠償請求も可能です。

(1)モラハラの証拠を集める

調停や裁判でモラハラの解決を図るときは、モラハラが行われていたことの証拠が必要となります。

ボイスレコーダー、メールやLINEの履歴、モラハラの詳細を記したメモなども有効な証拠として認められる場合があります。

(2)弁護士に相談する

弁護士に相談すればモラハラ解決のアドバイスから、調停・裁判における代理人としての活動まで幅広く対応してくれるでしょう。

ただし、多くの弁護士事務所は夫婦間のモラハラの解決、離婚の手続きについては実績豊富であるものの、職場モラハラ解決の実績は持たないところもあります。

弁護士を選ぶ際は、職場モラハラに関する解決事例、実績のある弁護士事務所がおすすめです。

(3)加害者を訴える

モラハラが原因で精神的苦痛を受けたり、退職に追い込まれたりするなどの損害がある場合は、モラハラをした加害者を訴えることもできます。

モラハラの加害者を裁判で訴えるには証拠が必要となりますので、先ほど紹介した方法でモラハラの証拠を残しておきましょう。

なお、会社は職場環境配慮義務を負っていることから、会社の義務違反があったとして会社を訴えることも考えられます。

(4)刑事告訴できるケースも

モラハラが原因で精神科に通院し、傷病名がPTSD、ストレス障害、恐怖性障害などであった場合、モラハラとの因果関係が認められれば傷害罪で刑事告訴できる可能性もあります。

たとえば加害者が会社で嘘の噂を不特定多数に広め、それが原因で精神的苦痛を受けて入院したとすれば、加害者は名誉棄損罪に問われ、3年以下の懲役もしくは禁錮又は50万円以下の罰金となる可能性があります。

6、今日からしたい、モラハラから身を守るための対策

(1)被害の内容を記録しておく

もしあなたがモラハラの被害者で、弁護士に相談したり裁判に訴えることを検討していたりする場合、あるいはこの記事を読んで、モラハラを受けているかもしれないと思ったら、被害の内容をノート、日記、ブログなどにメモを残しておくとよいです。

メモには次の内容を書き残しておきましょう。

日時(年月日、いつモラハラの被害を受けたか)
相手(誰からモラハラを受けたか、役職など)
被害の内容(モラハラの発言や行動)
背景や文脈(モラハラに至るまでの一連の流れ)
周囲の状況(場所、目撃者の有無)
自分の気持ち(辛かった、苦しかった、自分も悪いと思った等)
心身の状態(体調不良、うつ、食欲不振等)

(2)体調不良などがあれば医師の診断書をもらう

モラハラが原因と思われる体調不良や精神的な不調があれば、病院で医師の診断書を、もらっておきましょう。

先ほど触れたように、モラハラが原因でPTSD、ストレス障害、恐怖性障害身体的などと診断された場合は、刑事告訴できる可能性もあります。

(3)とにかく無理をしない

モラハラで身体的・精神的に不調を感じているのに、無理をして働くと症状を悪化させてしまいます。

体調が優れなかったり、職場で常に憂鬱な気分になったりした場合は、無理せずに休むことが必要です。

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