離婚後のペット問題を解決するための7つの手続きと注意点

離婚後のペット問題を解決するための7つの手続きと注意点

離婚後、ペットはどちらが引き取るのか、引き取れない場合は再会できるのか、そしてペットの養育権をどのように決定すべきか、といった疑問が浮かびます。

この記事では、離婚とペットに関する問題について詳しく説明します。

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1、離婚時のペットの存在-法律ではどうなっている?

離婚の際のペットの扱いは気になるところ。

子どものように可愛がっていても、法律上、人間の子どもとは別の扱いです。

法律ではペットの扱いはどうなっているのでしょうか。

(1)ペットは家族?-「子ども」とは異なる

動物は、法律上は「物」として扱われます。

愛するペットも残念ながら「物」であり、「子ども」とは異なるのです。

どんなに愛情を注いで我が子同然に接していても、法律上の「家族」として扱われることはありません。

したがって、離婚時に夫婦のどちらがペットを引き取るかという問題は、子どもの「親権争い」とは根本的に異なるということを、まずご理解ください。

(2)ペットは財産分与の対象となる

では、離婚時にペットはどのような扱いになるのかというと、財産分与の対象となります。

財産分与とは、夫婦が婚姻中に共同して築いた財産を、離婚時に分け合うことです。

ペットも法律上は財産分与の対象となる物ですので、財産分与でどちらが所有権を取得するかという問題となります(もっとも、婚姻前から飼っていたのであれば財産分与の対象とはならず、離婚後は婚姻前の飼い主に帰属することになります。

2、離婚時にペットの引き取り権を決める際の判断基準

離婚時に夫婦の双方がペットの引き取りを希望する場合、財産分与の問題となりますので、基本的には話し合って決めることになります。

話し合いがまとまらない場合は調停や裁判で決めることになりますが、その際には以下の要素を総合的に考慮して決められます。

(1)どちらになついているか

第一のポイントは、ペットがどちらになついているかという点です。

なついていない側にペットを取得させると飼育放棄のリスクが高く、なついている側の方がスムーズにペットを飼育できると考えられます。

そのため、当然ながら、なついている側が有利になります。

(2)どちらが主に飼育してきたか

どちらが主にペットを飼育してきたかという点も、重要な判断要素です。

これまでの飼育実績は、ペットに対する愛情や飼育能力の表れと考えられます。

多くのケースでは、主に飼育してきた方にペットもなついているでしょうから、その場合にはかなり有利になります。

ただ、一応の飼育はしていても世話が不十分であった場合には不利となる可能性もあります。

虐待の傾向が見られるような場合には、ペットを取得することは難しいでしょう。

(3)離婚後の飼育環境はどちらが整っているか

現実的な問題として、離婚後の飼育環境が整っているかどうかも重要です。

たとえば、婚姻中は一戸建ての住宅でペットを飼育していたものの、離婚後に引っ越す(あるいは別居時に引っ越した)マンションがペット不可の物件であれば、飼育環境が整っているとはいえません。

ペットをスムーズに飼育できる環境が整っていない場合は、飼育放棄のリスクがあると考えられるので、ペットを取得するのは難しいと言えます。

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