大腸カメラの前処置、自宅と病院で違う?
編集部
大腸カメラを受けた人からは「検査よりも前処置が大変だった」という話を聞きます。
川口先生
たしかにそうかもしれませんね。下剤をたくさん飲むのは、普段の生活ではあまり経験しないことですし、検査自体は鎮痛・鎮静剤を用いることも多くあるので、前処置の方がインパクトはあるのだと思います。
編集部
前処置を自宅でおこなう場合と病院でおこなう場合では、どのような違いがありますか?
川口先生
前処置を自宅でおこなう場合は、腸管洗浄剤を自分で作って自分で飲んでいただきます。メリットとしては、例えば家事やリモートワークなどの軽作業をおこないながらできる点です。さらに、普段過ごしている自宅で前処置をおこなえるため、病院よりもリラックスして腸管洗浄剤を飲み進められるという点もあります。一方、デメリットとしては、腸管洗浄剤の飲み方が覚えられない高齢者には不向きな点が挙げられます。また、自宅が医療機関から遠方である場合、腸管洗浄剤内服後、医療機関に向かうまでの間に便意を催してしまう可能性があります。
編集部
病院でおこなう場合はいかがですか?
川口先生
朝に病院を受診し、病院内の施設で前処置をおこないます。やり方が分からなくなってもスタッフが教えてくれる点や、便が綺麗になった後も医療機関までの移動がないため、途中で便意を催す心配がない点もメリットと言えるでしょう。反対に、デメリットとしては、普段と違う環境のため緊張により便意を催しにくかったり、自宅で軽作業をおこないたい場合にそれができなくなったりする点が挙げられます。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
川口先生
大腸カメラの前処置は、下手をすると大腸カメラ自体よりも苦痛を伴うことがありますが、最近では下剤の種類も増えています。一人ひとりに合った方法を選ぶことで、前処置の負担軽減につながる可能性があります。以前に検査した際、前処置でつらい思いをした人でも、次はもう少し改善できる可能性があります。不安を抱えず適切な時期に医療機関へ相談いただけると幸いです。
編集部まとめ
大腸カメラの前処置を、自宅でおこなう場合と病院でおこなう場合の違いなどについて解説していただきました。大腸カメラの前処置は、検査の正確性を高めるために不可欠なステップです。それぞれにメリット・デメリットがあるので、どちらの方法でも事前に医師の指示をよく確認して適切に準備し、スムーズな検査と正確な診断につなげましょう。
配信: Medical DOC