パワハラの証拠集め〜パワハラ立証に有効な証拠や証拠集めの注意点

パワハラの証拠集め〜パワハラ立証に有効な証拠や証拠集めの注意点

3、パワハラを立証できる証拠の具体例

パワハラを立証できる証拠にはさまざまなものがあります。

具体的にどのようなものがパワハラの証拠として扱われるのかご紹介します。

(1)録音データ

暴言や脅迫、人格権を侵害するような発言などのパワハラがある場合には、スマホやボイスレコーダーを使用して音声を録音しましょう。

とくにボイスレコーダーは小さいサイズのものや、ペン型のタイプのものなどもあるので、相手にバレることなく音声を録音しやすくなっています。

加害者の名前を呼んで録音しておくと、誰の発言であるのか明確にさせることができます。

また、パワハラを受けている時だけではなく、会社にパワハラ被害について掛け合った時にもやり取りを残しておくことをおすすめします。

もし会社が適切な措置を取らなかった場合には、これも有利な証拠になります。

(2)メールの文章

社内メールやLINEなどのSNSでパワハラを受ける場合もあります。

これらは記録として残っていることが多いため、証拠を集めやすいでしょう。

メールなどの文章を証拠として残す方法には、

パワハラ発言のある文章の印刷
スマホでパソコン画面を撮影する

などの方法が挙げられます。

日付や、文章の発信者が誰なのかを分かるように証拠を残すことが大切です。

(3)写真や動画

写真や動画はパワハラを立証できる有力な証拠になります。

パワハラを受けている場面を録画できれば極めて重要な証拠になりますが、動画の撮影は簡単ではありません。

また、パワハラによって暴力を受けた場合には、負傷箇所を撮影しておきましょう。

日時や場所等をわかるようにして撮影しておくと証拠の有用性が高まります。

(4)同僚の証言

同僚の証言も証拠になるので、協力をお願いしましょう。

物的証拠よりもパワハラを立証する力は低いですが、証拠が少ない場合には証言も大事な証拠になります。

同僚だけではなく、友人などにパワハラの内容をLINEやメールで話している場合には、それらの文章も証拠として使用することができます。

(5)被害者の日記や業務日報など

パワハラを受けた被害者の日記やメモ、業務日報なども証拠になる可能性があります。

パワハラを受けた日時
場所
目撃者
具体的な内容

などを、その他の情報も交えて5W1Hを意識して日常的に記録しておくことで、証拠としての有用性が高まります。

(6)業務命令、部署異動の通達など

会社から過少な要求や過大な要求によるパワハラを受けている場合には、業務命令や部署異動の通達なども証拠になります。

業務命令や部署異動の通達は、印刷したり写真を撮ったりして証拠として保管しておきましょう。

(7)医師の診断書

パワハラが原因で負傷した場合や、精神疾患などで通院している場合には、医師の診断書が証拠になります。

医師にどのようなパワハラがあったのか詳しく状況を説明し、カルテに記載してもらうようにしましょう。

カルテは、パワハラを受けたことを立証する間接的な証拠になると言えます。

4、パワハラの証拠集めにおける注意点とポイント

パワハラの証拠集めを行う際には、いくつか注意しておきたいことがあります。

証拠集めで失敗してしまわないようにするためにも、

証拠集めの注意点
ポイント

について知っておきましょう。

(1)加害者にバレないようにする

パワハラの証拠集めを行う際には、加害者にバレないように証拠を集めましょう。

証拠集めをしていることに加害者が気付けば、証拠隠滅や破棄を行ってくるかもしれません。

また、相手が逆上してパワハラがひどくなるパターンもあれば、証拠が残りにくいパワハラへと陰湿化するパターンもあります。

とくに録音や録画をする際には細心の注意を払うようにしましょう。

(2)退職後は証拠集めが難しくなる

パワハラが原因で退職を考えている場合には、証拠集めは退職前に行うことをおすすめします。

退職してからでは社内メールの確認やパワハラの録音など証拠集めが難しくなってしまいます。

退職するまでにできる限り多くの証拠を集めておくようにしましょう。

(3)客観的に立証できる証拠を集める

パワハラの証拠集めでは、客観的にパワハラを立証できるような証拠を集めましょう。

嘘か本当かわからないような証拠ではなく、誰が見てもパワハラだと分かる証拠が重要です。

明確な証拠がない場合でも、複数の証拠を組み合わせることで有用性が高まることもあるので、小さな証拠でも残しておくことをおすすめします。

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