5、パワハラの証拠集めで録音や録画することは違法にならないのか?
パワハラの証拠集めで録音や録画をすることに違法性はないのか不安に考えている方もいるでしょう。
パワハラの証拠集めのための録音や録画は、パワハラの証拠保全という正当な理由で行われる限り違法になる可能性は少ないといえます。
もっとも、会社では就業規則によって職場での録音や録画を禁止している場合があります。
そのため、パワハラの録音や録画をしていることが会社にバレた場合には懲戒処分に問われることがあります。
しかし、懲戒処分は労働者が企業秩序を乱した時にのみ適用されるものであり、パワハラが存在して救済のための証拠集めを行っているのであれば、企業秩序を乱す行為だとはいえません。
そのため、もしパワハラの証拠集めで懲戒処分を受けるようなことがあれば、不当な処分であると考えられます。
もっとも、会社にも就業規則や業務上必要な場合は録音や録画を禁止する権限もありますので、どのような場合でも懲戒処分に当たらないとまでは言い切れません。
自分の録音や録画が懲戒処分に当たるのかどうかご不安な場合は、専門家のアドバイスを求めるべきでしょう。
6、パワハラ問題を弁護士に相談するメリット
パワハラ問題はご自身で会社や労働局等に相談するだけではなく、弁護士に相談することもできます。
パワハラ問題を弁護士に相談するメリットとして次のことが挙げられます。
(1)代理交渉をしてもらうことができる
パワハラを受けて精神的につらい状況になっている中で、ご自身で加害者や会社と交渉を行うことは更なるストレスを受けることになりかねません。
弁護士に依頼すれば、代理人として全ての交渉を任せることができるため、ストレスを大幅に軽減させられるでしょう。
ご自身ではうまく主張できない場合でも、高い交渉力を持つ弁護士が、代理人として加害者や会社へ適切な通知や主張を行ってくれます。
(2)パワハラの損害賠償請求ができる
パワハラで精神的苦痛を受けた場合には慰謝料を請求することができますが、弁護士に依頼すれば、その損害賠償請求の手続きや交渉も任せられます。
法的な知識と交渉力があるため、ご自身で請求するよりも、より精神的苦痛に見合った適切な損害賠償請求が期待できます。
(3)労働審判や裁判を任せられる
直接交渉で解決しない場合には、労働審判や民事裁判を行うことになります。
その場合、
裁判や審判の申立て
裁判や審判に対する書面等の準備
裁判や審判期日での活動
などが必要になります。
弁護士に依頼すればこうした工程の大部分を任せることができ、心強いサポートを受けられます。
配信: LEGAL MALL