骨髄異形成症候群の余命・生存率
骨髄異形成症候群において、余命を考える際には、骨髄異形成症候群自体の進行と急性骨髄性白血病への移行リスクを考えなければいけません。骨髄異形成症候群の予後に影響を与える末梢血や骨髄の所見を予後因子として点数化し、この点数から高リスクか低リスク化を判断します。
高リスク群の場合、生存率が低く、白血病への進行率も高いことが示されています。
骨髄異形成症候群の治療法
骨髄異形成症候群の治療の方針は、リスクの判定をした後に、方針が決定されます。
低リスクの場合で症状がない場合には、経過観察をして必要があれば貧血を改善する薬や輸血などを行います。
高リスクの場合には、自然経過では予後が悪いため、年齢やドナーなどの条件が許せば同種造血幹細胞移植の適応を考慮します。高齢者でも、前処置を減弱した幹細胞移植を実施する場合もあるため、主治医に確認をしましょう。造血幹細胞移植が難しい場合には、細胞障害性抗がん薬を使った薬物治療が検討されます。
骨髄異形成症候群を治療しないとどうなる?
骨髄異形成症候群を治療しないとどうなるでしょうか?これは、リスク分類により変わります。低リスクの場合には、治療を行わなくとも問題ないこともあります。しかし、高リスクの場合には病状の進行が早く、白血病化も高率に起こるため、早期に最期を迎えることも少なくありません。
「骨髄異形成症候群(MDS)」についてよくある質問
ここでは「骨髄異形成症候群(MDS)」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
骨髄異形成症候群が進行するとどうなりますか?
今村 英利 医師
骨髄異形成症候群が進行した場合には、貧血や血小板減少、白血球減少が進行する場合、また白血病を発症する場合があります。
骨髄異形成症候群は完治しますか?
今村 英利 医師
骨髄異形成症候群の治癒を期待できる治療としては、造血幹細胞移植が挙げられます。造血幹細胞移植をすることで、完治が期待できますが、体への負担が大きく、高齢者では適応が難しい場合もあります。
骨髄異形成症候群から白血病になる確率はどれくらいでしょうか?
今村 英利 医師
骨髄異形成症候群は、検査により高リスク群から低リスク群まで分類されます。このリスク分類によって白血病化の確率が異なります。低リスク群では、十数%程度が白血病に移行するとされています。一方、高リスク群では急性白血病になる確率が50~80%とされており、非常に白血病になる確率が高いです。
編集部まとめ血液検査で異常があったら、症状がなくとも内科を受診しよう!
骨髄異形成症候群は、慢性的に経過する貧血、血球減少と急性骨髄性白血病へ移行しやすい特徴を併せ持つ予後不良の病気です。
骨髄異形成症候群は初期の症状が分かりにくいこともあり、健康診断などでの貧血や白血球、血小板などの減少を認めた場合には早めに血液内科を受診することが大切です。血液検査での異常があった場合には、症状がなくとも内科を受診し、相談をしてみましょう。
「骨髄異形成症候群(MDS)」と関連する病気
「骨髄異形成症候群(MDS)」と関連する病気は5個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
循環器科の病気心不全
内分泌科の病気甲状腺疾患
血液科の病気白血病貧血再生不良性貧血
骨髄異形成症候群の症状としては、血球減少に伴う症状が挙げられます。だるさや動悸など症状のみでは区別がつかないことも多いです。体調不良が続く時には内科を受診して相談をしましょう。
「骨髄異形成症候群(MDS)」と関連する症状
「骨髄異形成症候群(MDS)」と関連している、似ている症状は5個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
皮膚の出血
骨髄異形成症候群の症状のみでは、病気の区別がつきません。体調不良が持続する場合には、早めに内科を受診して相談をしましょう。
参考文献
造血器腫瘍診療ガイドライン2023年度版.骨髄異形成症候群(出典先)
配信: Medical DOC
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