離婚届に必要な証人|その役割と条件と依頼する際の注意点

離婚届に必要な証人|その役割と条件と依頼する際の注意点

離婚の手続きにおける証人は重要な役割を果たすため、誰を証人に頼むか慎重に選びたいところです。

そこでこの記事では

離婚届の証人は誰に頼めばよいのか
証人を頼める人がいない場合の対処法

について解説します。

1、離婚届の証人は誰に頼むべき?

離婚届の証人は誰に頼めばよいのでしょうか。

協議離婚をする方の多くはここで頭を悩ませると思いますが、実は難しく考える必要はありません。

以下で、具体的にご説明します。

(1)証人になれる条件

証人になれる条件はただ1つ、成年(満18歳以上)であることだけです。成年であれば、誰でも構いません。

親や親戚、友人・知人などはもちろん、我が子でも成年であれば証人になってもらうことが可能です。

また、犯罪歴や破産歴のある人はNGという制限もありませんし、外国籍の方でも離婚届の証人になることはできます。

(2)みんな誰に証人になってもらってる?

一般的には、やはり両親や兄弟姉妹、その他の親戚に証人を頼んでいる方が多いです。

次いで、信頼できる友人に証人を頼んでいる方も多くいます。

弁護士に離婚手続きを依頼した方の場合は、弁護士やその事務員などが証人として署名・押印してもらっているケースもよくあります。

少数ですが、職場の上司や雇い主、単なる知人に証人になってもらっているケースもあります。

(3)離婚届の証人は何人必要?

協議離婚の場合の証人は「2名」が必要です。

1名だけでなく2名が必要な理由は、離婚届の作成・提出をより慎重に行ってもらうためと考えられています。

ただ、2名が必要だからといっても、夫婦それぞれが1名ずつの証人を用意しなければならないわけではありません。夫の両親や親戚から2名の証人を出しても構いませんし、逆に妻の両親や親戚に2名の証人を出してもまったく問題はありません。

2、離婚届の証人が負うリスクとは?

離婚届の証人となってもらった人が何らかのリスクを負うのかということも気になると思いますが、結論として、リスクは何もありません。

先ほど、離婚届の証人は「離婚届が真正なものであることを証明する」「当事者の離婚意思を最終的に確認する」とご説明しましたが、証人に法的な責任が発生することは一切ありません。

借金をするときの借用証に連帯保証人が署名・押印をすると主債務者と同じ法律上の返済義務が発生しますが、離婚届の証人には何らの義務も発生しないのです。単に、不正な離婚届の提出をできる限り防ぐために、形式上の要件として証人の署名・押印が求められているに過ぎません。

ただし、離婚届を提出する当事者が偽装離婚や離婚届の偽造を企てている場合は別です。

このような場合に、証人に事情を告げて署名・押印をしてもらうと、有印私文書偽造罪・同行使罪・公正証書原本不実記載等罪といった犯罪に加担させることになってしまいます。

つまり、証人も罪に問われる可能性があります。

当事者に不正な目的がない限りは離婚届の証人がリスクを負うことはありませんが、それでも他人の離婚届に署名・押印すること自体に精神的な負担を感じる人もいるでしょう。

したがって、離婚届の証人を依頼するときには、不正の目的がないのは当然のこととして、証人として署名・押印することによる不利益は何もないことを説明した上でお願いするのがよいでしょう。

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