離婚届に必要な証人|その役割と条件と依頼する際の注意点

離婚届に必要な証人|その役割と条件と依頼する際の注意点

3、離婚届の証人に署名・押印してもらうときに注意すべきこと

離婚届の証人候補者が確保できたら、その人にも離婚届に署名・押印してもらわなければなりません。

ここでは、離婚届の証人欄に署名・押印してもらう際の形式面での注意点について解説します。

(1)証人本人が署名・押印する

証人欄には、証人本人が署名・押印する必要があります。

たとえ証人本人の承諾を得ていても、他の人が代筆することは認められていませんのでご注意ください。

(2)黒のペンまたはボールペンで記入する

署名する際は、黒のペンまたはボールペンを使用しましょう。

消えないインクで記入することが必要です。ペンやボールペンでも、消せるものは使用できません。

(3)実印は不要(認印OK)

証人の印鑑は、実印である必要はありません。

認印で十分です。もちろん実印を使用してもらっても構いませんが、その場合でも印鑑証明書は不要です。

ただし、ゴム印やシャチハタは使用不可ですので、注意しましょう。

(4)同じ姓の人に頼む場合は別々の印鑑を使用する

印鑑について、もう1つ注意が必要な点は、ご自身と同じ姓の人が証人となる場合、同じ印鑑は使えないということです。

例えば、親や親戚に証人を頼む場合には同じ姓の人が証人となることもありますが、その場合には別々の印鑑を使用する必要があります。

また、証人同士の姓が同じ場合にも、別々の印鑑を使用してもらってください。

例えば、両親に証人を頼む場合、あなたと両親の姓が異なっていても、父親と母親の姓は同じでしょう。

この場合、父親と母親が同じ印鑑を使用することはできません。

(5)証人欄の訂正方法

証人欄の署名を書き損じた場合、修正液や修正テープを使うことはできません。

書き損じた場合には誤った部分に二重線を引き、その上に訂正印を押すという方法で訂正することが必要です。

もちろん、訂正印には、その証人が押印するのと同じ印鑑を使用することになります。

なお、離婚届の書き方はこちらの記事で詳しく解説していますので、併せてご参照ください。

4、証人になってくれる人がいなかったら?離婚届の証人の探し方

離婚届の証人は成人であれば誰でも構わないのですが、それでも頼める人がいないという場合もあるかと思います。

そんなときには、以下の対処法があります。

(1)証人欄を勝手に自分で書くのは絶対にやめましょう

まずお断りしなければならないのは、証人欄を自分で勝手に書いてはいけないということです。

誰でも証人になれるからといって、離婚届を書くときに自分で第三者になりすまして証人欄に署名・押印しようとする人がいますが、これは絶対に行ってはいけません。

このような行為は有印私文書偽造罪と同行使罪に該当し、受理されると公正証書原本不実記載等罪も成立し、刑罰を科せられることがあるからです。

(2)証人代行サービスを利用する

どうしても証人を頼める人がいない場合は、証人代行サービスを利用するのもよいでしょう。

証人代行サービスとは、離婚届の証人が見つからずに困っている人のために、業者の人が証人として署名・押印してくれる民間のサービスのことです。

行政書士の事務所で証人代行サービスを提供していることも多いので、行政書士の事務所を検索して探してみるとよいでしょう。

利用手順としては、まず電話やメールで利用申し込みをして料金を振り込み、その後に郵送のやりとりで証人欄に署名・押印した離婚届が手に入るという形が一般的です。

料金としては、証人2名とも代行を依頼する場合で数千円~5,000円程度が相場的です。

(3)弁護士等の専門家に依頼する

協議離婚の手続きを弁護士に依頼していた場合は、弁護士やその事務員などが証人になってくれることが多いです。

その場合、追加費用なしでサービスとして署名・押印してもらえることもあります。

また、弁護士に依頼していなくても、離婚について相談していた場合には、その関連で証人代行を引き受けてくれる可能性もあります。

その場合の費用は弁護士によりますが、少なくとも5,000円~1万円程度はかかると考えておきましょう。

離婚届を提出する前には、離婚条件の取り決めが適切にできているかどうかをチェックしてもらうことも重要ですので、証人代行の件と併せて、弁護士の無料相談を利用して尋ねてみるとよいでしょう。

関連記事: