5、自損事故で保険会社とやり取りする際の注意点
自損事故に遭ったときに保険会社に保険金を請求するときには、いくつか注意点があります。
(1)保険の等級が下がる
まずは、保険の等級の問題です。
自損事故保険や車両保険を利用すると、3等級ほど下がるので、次年度からの保険料が上がります。
(2)逸失利益算定のトラブル
次に、後遺障害が残った場合の逸失利益の問題です。
後遺障害が残ったら人身傷害補償保険から「逸失利益」の支払いを受けられますが、その際の計算方法があいまいなため、保険会社と被害者の間でトラブルになりやすいのです。
(3)偽装事故の疑いがかかる
また、自損事故の場合、保険会社から保険金目当ての偽装事故だと捉えられてしまうケースがあります。
このような場合、最終的に保険金を受け取れるとしても、長い時間が必要になることが多いですし、保険金支払いを拒絶される可能性もあります。
まとめ
今回は、自損事故とその対処方法について解説しました。
自損事故は、人身事故などに比べるとあまり重要視されない交通事故ですが、正しい知識を押さえておかないといろいろな不利益を受ける可能性があります。
今後に備えて、自損事故についての理解を深めましょう。
監修者:外口孝久弁護士
1.経歴
2011年 03月 明治大学法科大学院修了
2012年 09月 新司法試験合格
2014年 01月 ベリーベスト法律事務所入所
2.取り扱い分野
交通事故(被害者側)
労働災害(被災労働者側)
3.業務実績
・交通事故代理人(被害者側)としての取扱件数延べ350件以上
・死亡事故をはじめとする重傷案件多数(遷延性意識障害、高次脳機能障害、四肢麻痺、四肢欠損、胸腹部臓器の損傷、歯牙欠損、目・耳・鼻の障害、醜状障害、PTSD、上司下肢の機能障害等)
・自研センター研修(弁護士コース)修了
・労働災害における被災者側代理人多数(製造業、造船業、病院、建設業、食品工場、運輸業、海上輸送業等)
・日本交通法学会所属
4.メッセージ
私の専門とする交通事故・労働災害分野のご相談者様に、自ら望んで弁護士に相談される方はいません。
一生に一度あるかないかの未経験のトラブルに巻き込まれ、ケガの痛みもある中で、相手方保険会社から心ないことを言われたり、自賠責・労災保険・自身の加入する保険など、複数登場する保険会社へ対応したりしなければならないストレスには、想像を絶するものがあると思います。
私は、そのようなお困りの方々に寄り添い、力になれる存在でありたいと思っております。
ご不安なお気持ちを少しでも和らげることができるよう、できる限り丁寧にお話しを伺うことを心がけ、また、お客様の利益を最大化するための研鑽に努めて参ります。
外口弁護士監修 :「労災」記事一覧
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配信: LEGAL MALL
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