家賃滞納された場合の内容証明郵便の書き方と対処法3つ

家賃滞納された場合の内容証明郵便の書き方と対処法3つ

5、内容証明郵便を送っても家賃を支払ってくれない場合の対処法!

(1)連帯保証人宛に内容証明郵便を送る

家賃を滞納された場合、大家さんは、連帯保証人に対しても家賃の支払ってもらうよう請求をすることができます。連帯保証人に伝えることで、連帯保証人に滞納された家賃を支払ってもらう、連帯保証人から滞納者に対し家賃を支払うように促してもらうなどといった効果が期待できます。

例えば「前略 当方は、●殿に対し、下記のとおり賃貸借契約を締結し、下記建物を引き渡しました。ところが、●殿は、平成●年●月分から同●月分まで、上記契約に基づく賃料の支払いを怠っております。貴殿は、●殿の連帯保証人でありますので、当方は、貴殿に対し、未払賃料合計金●万円を本書面到達後5日以内にお支払いくださいますよう催告いたします。当該期間内に上記未払賃料全額の支払がない場合は、速やかに訴訟提起の措置をとりますので、その旨ご承知置きください。なお、当方は、●殿に対し、平成●年●月●日、上記未払賃料全額を支払うよう催告をいたしました。念のため申し添えます。」などと記載されることがあります。

(2)少額訴訟    

①少額訴訟

内容証明郵便を送っても家賃を支払ってもらえない場合、最終手段として裁判で回収していくことが考えられます。裁判手続となると、後述のとおり、「通常訴訟」を提起することが考えられますが、「少額訴訟」という裁判手続を選択することも可能です。

少額訴訟は、訴訟物の価額が60万円以下の場合にのみ提起できる特別な手続きであって、原則として1日で手続きが終了します。通常の裁判に比べて早く手続きが進むという点に大きなメリットがあります。

なお、少額訴訟について詳しくは以下の記事をご参照下さい。

少額訴訟とは?お金を払わない相手から債権を回収する方法

②強制執行

裁判で勝っただけでは、滞納者が任意で払ってくれない限り、滞納された家賃を回収することはできません。

その場合には、判決に基づく「強制執行」手続きという文字通り強制的な手続きで回収を図らないと、裁判で勝ったとしても滞納された家賃を回収することはできません。そして、強制執行手続は裁判手続とは別個独立の手続になりますので、新たに進めていく必要があります。

強制執行手続において注意すべき点は、滞納者に強制的に回収できる財産が残っているか否かになります。強制的に回収することのできる財産が残っていなければ裁判・強制執行手続を試みても空振りになってしまう恐れがあるので、事前に滞納者の財産をチェックする必要があるでしょう。

6、それでも支払いがなければ建物明渡訴訟!

滞納者が任意で滞納家賃を支払わずに建物からも出ていかない場合、裁判で建物の明渡し及び滞納賃料の支払いを求めていくことになります。訴訟物の価額が140万円以下のケースあれば簡易裁判所に訴訟を起こすことになり、140万円を超えるケースには地方裁判所に起こすことになります。

そして、裁判を提起した後でも、話し合いによって和解をして手続きが終わることも考えられます。和解の内容が和解調書に記載されますが、和解調書は判決と同様の強制力があるため、和解調書をもとに強制執行手続を進めることが可能になります。

裁判で勝った場合には、前述のとおり、強制執行手続を踏まなければ、強制的に建物明渡し及び滞納賃料回収の目的を達成できません。裁判を提起してから強制執行手続に至るまで、およそ半年程度時間がかかる場合もあります。

これらの法的手続きは、やはり弁護士に依頼した方が迅速かつ適切に進めることができるものといえますが、弁護士費用との関係で経済的メリットなどがあるかどうかは重要なことですので、弁護士に相談して依頼のメリットがあるかどうか事前に確認しましょう。

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