投稿者に聞く“偶然”の産物、面白ワードの魅力とは
新聞の最終面などに掲載されている番組表(ラテ欄)の文字列に、偶然できた「縦読み」を見つけては発信している、ちょっと変わったアカウントがX(旧ツイッター)にあります。「縦読み tateyomi(@tateyomisan)」。2024年8月だけも、4.9万いいね、9.3万いいね、2.8万いいね、たびたび“万バズ”を連発しています。
「縦読み発見コーナー」「見つけた縦読みを紹介します」と掲げる同アカウント。そのフォロワー数は実に3.2万人を誇ります。主に中日新聞と日本経済新聞のラテ欄から縦読みを探し、ひねりの利いた“一言”と併せて画像を投稿しています。
8月に万バズを記録した投稿は同月27日(火)時点で、「ほかほかの乱」「チーズクロス」「・・・バカ」など計5件。その他の投稿も軒並み数千件以上のいいねを集めました。
中でも「レア度:★★★★★★★★★★★」としてアップされたのが「チーズクロス」(2023年8月20日付、中日新聞)。縦方向と横方向にそれぞれ一つ、「ー」を共用する形でクロスした「チーズ」の文字が見られる“異色の縦読み”に9.3万件ものいいねが寄せられました。Xユーザーたちからは「芸術点高い」「これが本当のレアチーズか」「チーズ食べたくなってきた」などさまざまな反響が。
また、「ツンデレ」という一言が添えられた画像「・・・バカ」(2022年9月18日付、同)には、2.8万件のいいねと「(人気漫画『タッチ』のヒロイン)朝倉南(の声)で脳内再生されました」などの感想が見られました。
このアカウントを管理している「宮」さんに、運用の意図や縦読みの面白さについて聞きました。
――普段、何種類の新聞に目を通しているのでしょうか。
「毎日、中日新聞と日本経済新聞を読んでいます。それぞれラテ欄のフォーマットが違うので、どちらかでしか見つからない縦読みもあるかもしれないということで両方を見ます。多いときは1日6つぐらい、最近は1つか2つ見つかればラッキーという感じです。30分ぐらいかけて探します。他県へ行ったときなどは、その土地の地方紙も見ています」
――いつ、どのようなきっかけでこうした縦読み探しを始めたのでしょうか。
「番組表にはときどき、特別な加工がしてあるものがあります。例えば流行のドラマの欄にドラマタイトルが透かしで入れてあるなどです。その加工の一つとして、ある番組のところにスイカをあしらったしましまの透かしが入っていたことがありました。こういうところには(意図的に作られた)縦読みが隠されていたりするのかな、と思い探したもののそれらしいものはなく、仕方なく自分で無理矢理に言葉を作って(見つけて)『縦読みがあったよ』という投稿をXでするようになりました」
「それが自分にとってすごく楽しかったので、次の日も同じように自分なりの縦読みを投稿して、その次の日も……と、気付いたら今も続いていたといったところです。2021年3月頃に始めたので、だいたい3年半ほど続けていることになりますね」
――これまでで、特に自身にとってインパクトの強かった縦読みは何でしょうか。
「今回投稿した『チーズクロス』もそうですし、それから2023年1月に投稿した『曲がイイヨ曲が』もすごく好きです。先日、過去の投稿をいったん整理してしまったのですが、まだ再投稿していないものの中に強烈な縦読みがたくさんあります。これからも期待していただけたらと思います」
(LASISA編集部)
配信: LASISA
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