路上生活者、DV被害の少女…「新宿野戦病院」が描く現代日本の“問題” 「Not Alone」とは?

小池栄子さん主演の連続ドラマ「新宿野戦病院」(フジテレビ系)。トー横キッズ、在留外国人、ホスト、風俗嬢などの存在を描いています…。ドラマを通して、現代日本の“問題”について考えてみます。

本当の「Not Alone」とは… ヨウコたちの奮闘が“示すモノ”

 現代社会ではSDGsにおける「誰一人取り残さない」という理念が重んじられています。とはいえ、こうした理念とは逆の政策も見られます。5話では、「意地悪ベンチ」が話題になりました。舞は警察官の勇太に深く腰掛けたり、寝転がったりできない形状のベンチを見て、「バッテラでしょこんなの」と不平をもらしています。実際、新宿をはじめとする大都市ではホームレスや酔っ払いの排除を目的とした意地悪ベンチや「排除アート」が多々見られます。一見、きれいに整備された美しい街に見えたりもしますが、人の温かみが感じられにくい街作りになっている可能性もあります。

 舞が所属する「Not Alone」には、「ひとりじゃない」という意味があります。ヨウコが働く「聖まごころ病院」は経営難の一面を持ち合わせていますが、同病院のスタッフたちは治療費を払えないだろう患者たちに愚痴をこぼしながらも、懸命に治療を施す様も描き出しており、居場所がない人たちに寄り添っています。彼らが他者のために奮闘する姿は、視聴者にも、この世界には社会の不条理に立ち向かう人や利害関係抜きに他者に手を差し伸べる人が存在することを教えてくれるようで、一筋の希望を感じられます。8月28日放送の第9話では、ヨウコたちがどのような奮闘を見せるのか、注目です。

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