8月26日放送の「あさイチ」(NHK)を見ながら「NHKは何をしてるんだ?」と呆然とした。
その理由は、二階堂ふみをゲストに招き、故郷・沖縄でのロケ特集をした後に、東京都・文京区の東京ドームシティ内にある「屋内型ふれあい動物園 アニタッチ東京ドームシティ」との中継を敢行したからだ。
沖縄ロケでは世界自然遺産でもある「やんばるの森」の自然とともに歩む沖縄県立・辺士名高校を訪問。以前から二階堂は沖縄の野生生物や自然環境に着いて学ぶ、この学校の「自然環境科」に興味を持っていたそうだ。
学校では沖縄に古くから生息する琉球犬や島ヤギなどの生き物を飼育しながら研究している様子を見せてもらい、視聴者も二階堂とともに自然保護、動物保護について考えずにはいられなくなったと思う。
しかし沖縄ロケ特集が終わると、テニスコート6個分の大きさの室内に動物たちが「展示」された「ふれあい動物園」が紹介されたのだ。中継が始まったとたん、ワイプで抜かれた二階堂からそれまでの笑顔が消えた。
二階堂と言えば、2021年4月9日放送の「徹子の部屋」(テレビ朝日系)出演時に、7匹の保護犬や保護フェレット、猫たちと一緒に暮らしていると明かし、2015年にフェレットと生活をともにするようになったことをきっかけに、動物愛護や環境保護に興味を持ち始めたと明かしていた。
2018年には植物性食品、卵、乳製品、魚介類を食べ、肉を食べない食生活を送るペスカタリアンになったことも公表。そんな二階堂は「ふれあい動物園」で中継現場の佐々木芳史アナを介して動物園職員に「生息地域がもともと近い子たちが、近いところに一緒にいる配慮はされてるんですか?」「展示時間の制限はあるんですか?人数制限は?」などと矢継ぎ早に質問。
さらにはハリネズミに触れながら、この動物園の“ウリ”である「触れ合えること」を説明する佐々木アナを見ながら「でもちょっとあれなんですよね…ストレスに弱い…」とハリネズミはストレスに弱いため、人間に体を触れられることはストレスなのではないかと呟くシーンもあった。
およそ6分間の中継だったが、沖縄の自然保護、動物保護を取り上げたロケ直後に、「ふれあい動物園」の中継を放送したNHKの番組作りには疑問しかない。もしや動物愛護を実践している二階堂が「ふれあい動物園」の中継を見ながら「ハリネズミさん、かわいい~」とでも言うと思ったのだろうか。
ネット上には動物園職員に動物の管理状態をズバッと質問した二階堂に称賛の声があがっている。番組内容とゲストのキャスティングに、NHKはもっと注意深くなってもらいたい。
(森山いま)
配信: アサジョ
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