「放射線治療の照射回数」はご存知ですか?費用についても解説!【医師監修】

「放射線治療の照射回数」はご存知ですか?費用についても解説!【医師監修】

放射線治療の費用

放射線治療の費用は、使用する放射線の種類、治療方法、総治療回数などによって異なります。外部照射の場合、治療準備と日々の治療に関わる費用に分けられ、複雑な治療技術を用いる程、また回数が多い程費用は高くなる傾向があります。

ほとんどの放射線治療は健康保険の適用を受けられますが、患者さんの負担額は病状や治療方法によって変動します。例えば、3割負担の場合、乳がんの温存術後の放射線治療(16〜25回)で16〜26万円程度、前立腺がんのIMRT(20〜38回)で34〜45万円程度となります。

高額療養費制度の利用により、月単位で一定額を超えた医療費の自己負担分が軽減されます。粒子線治療など一部の治療は先進医療として扱われ、別途費用がかかる場合があります。

放射線治療についてよくある質問

ここまで放射線治療の流れや種類、回数などを紹介しました。ここでは放射線治療についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

放射線治療に副作用はありますか?

木村 香菜(医師)

放射線治療は、がん細胞だけでなく正常な細胞にも影響を与えるため、副作用が現れることがあります。副作用は、照射部位や範囲、放射線の種類や量、患者さんの全身状態などによって異なります。
副作用は大きく二つに分類されます。一つは治療中〜終了後数ヵ月までに現れる急性期の副作用で、もう一つは数ヵ月以降に現れる晩期の副作用です。いずれも照射部位に関連した症状が主です。
急性期の副作用は、皮膚の炎症、粘膜炎、倦怠感などがあります。晩期の副作用は、組織の線維化や臓器の機能低下など、遅れて現れる影響です。

妊娠・出産に支障をきたす恐れはありますか?

木村 香菜(医師)

放射線治療が妊娠や出産に与える影響は、照射部位によって異なります。卵巣や精巣から離れた部位への照射であれば、生殖機能へのリスクは低いと考えられています。
ただし、まったく影響がないとはいえません。妊娠可能年齢の女性は、慎重に検討する必要があります。放射線が卵巣に直接当たると、卵子の数が減少したり、ホルモンバランスが乱れたりする可能性があるためです。
男性の場合、精巣への直接照射は避けますが、散乱線の影響が皆無とはいえません。生殖機能への影響を抑えるため、適切な防護対策が取られます。

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