くも膜下出血の原因とは?Medical DOC監修医がくも膜下出血の原因・予防法や何科へ受診すべきかなどを解説します。
※この記事はMedical DOCにて『「くも膜下出血の原因」となる可能性の高い食べ物はご存知ですか?医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
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監修医師:
中川 龍太郎(医療法人資生会 医員)
奈良県立医科大学卒業。臨床研修を経て、医療法人やわらぎ会、医療法人資生会南川医院に勤務。生活習慣病や肥満治療、予防医学、ヘルスメンテナンスに注力すると同時に、訪問診療にも従事している。日本プライマリ・ケア連合学会、日本在宅医療連合学会、日本旅行医学会の各会員。オンライン診療研修受講。
「くも膜下出血」とは?
くも膜下出血とは、脳出血の一種で、脳の表面の血管が破れて出血してしまい、くも膜下腔というスペースに出血が拡がった病気です。
くも膜下出血は、発症した人の1/3は死亡し、1/3は何らかの後遺症が残り、残る1/3だけが社会復帰できるという、非常に重篤な病気です。発症してから治療するのではなく、できるだけ発症しないようにする予防策が重要になります。
今回の解説で、くも膜下出血に至る原因を知り、適切に予防しましょう。
くも膜下出血になりやすい人の特徴
女性
くも膜下出血になる人の男女比は1:2と女性の方が多いことが報告されています。また体型としては、肥満体型と発症率の逆相関が報告されています。つまり肥満体型の方がくも膜下出血の発症率が低い、痩せ型の方がくも膜下出血の発症率が高い、ことが分かっています。(これはあくまで相関関係であり、痩せていることが必ずくも膜下出血を引き起こしたり、太っていることがくも膜下出血のリスクを下げる、という因果関係の証明ではないことに注意してください。)
ただ、痩せている女性の方は、他の方より発症する可能性が高いと捉えて、意識するきっかけにするのは良いと考えます。該当する方は以降で解説する予防策を心がけてください。
高血圧
高血圧を保有している人は、そうでない人よりもくも膜下出血に2.8倍なりやすいことが報告されています。高血圧に至るような生活習慣の方は注意が必要です。具体的には
・味付けの濃い、塩分量の多い食事を日常的に摂取している
・過剰なストレスが常にかかる状態である
・健康診断で高血圧を指摘されながら、放置している
などです。このような状態に該当する方は、くも膜下出血になりやすい人と言えます。
心当たりのある方は生活習慣を見直して、かかりつけ医を受診してください。
喫煙
喫煙者は、そうでない人よりも1.9倍くも膜下出血になりやすいことが報告されています。さらに先ほど紹介した高血圧も保有している場合は、そのリスクはさらに高まるとされています。
過度な飲酒
過度な飲酒を習慣的に行う人は、そうでない人よりも4.7倍もくも膜下出血になりやすいことが報告されています。
さらに先ほど紹介した喫煙者でもある場合は、そのリスクがさらに高まるとされています。ここでの過度な飲酒とはどれくらいの量かと言いますと、1週間で純アルコール150g以上とされています。アルコール度数5%のビールロング缶1本で約20gですので、休肝日なしで毎日1本以上飲めば、それだけで150gには達してしまうということになります。
肝機能のことを考えて休肝日をもうけるとともに、アルコール摂取の総量にも注意しましょう。週に1回休肝日があったとしても、それ以外の日に大量の飲酒を行えば当然アルコール摂取量は危険な数値になるからです。
配信: Medical DOC