焼肉を食べても胃もたれしにくくなる食べ方のコツはご存じですか? 今回は、後悔しない焼肉の食べ方について、医師の丸山先生に解説していただきました。
※この記事はMedical DOCにて【焼肉を食べた翌日の「胃もたれ」を防ぐコツ・対処法を医師が解説! 食事中の○○に要注意!】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
監修医師:
丸山 潤(医師)
群馬大学医学部卒業。群馬県内の高度救命救急センター救急科及び集中治療科に2022年まで所属。2022年より千葉県の総合病院にて救急総合診療科および小児科を兼務。乳児から高齢者まで幅広い患者層の診療に努める。
【保有資格】
医師/医学博士/日本救急医学会救急科専門医/日本集中治療医学会集中治療専門医/DMAT隊員/日本航空医療学会認定指導者(ドクターヘリの指導者資格)/JATECインストラクター/ICLSインストラクター
編集部
焼肉を食べても胃もたれしにくくなる食べ方のコツはありますか?
丸山先生
焼肉を楽しむ際に胃もたれを防ぐための工夫はいくつかあります。まず、脂質が少ない部位を選ぶことが効果的です。具体的には、ロースや赤身肉などは比較的消化しやすいためおすすめです。また、肉だけでなくサラダやキムチなどの野菜類も一緒に取り入れることで、胃もたれしやすい肉を食べる量が減るだけでなく、大根や白菜などの消化を助けてくれる野菜を摂取することができます。
編集部
どんな種類のお肉が胃もたれしやすいのでしょうか?
丸山先生
カルビやホルモンなどの脂質が多く含まれている部位は、特に胃もたれしやすいです。これらの部位は美味しく、人気もありますが、脂質は胃の中では消化されず胃内に滞留するため、胃もたれの原因となります。高脂質な部位の肉を食べる際は、「食べる量をコントロールする」「ほかの消化しやすい食べ物と一緒に食べる」などの工夫が重要です。
編集部
逆に胃もたれしにくいお肉も知りたいです。
丸山先生
赤身肉や鶏肉などの脂質が少ない部位はおすすめです。赤身肉は脂肪分が少なくタンパク質が豊富であり消化がしやすいため、胃もたれを予防したい場合の選択肢となるでしょう。また、鶏肉は赤身肉以上にヘルシーです。特に鶏の胸肉は低脂質・高タンパクであるため、胃に優しいとされています。焼肉の際にこれらの部位を積極的に選ぶことで、美味しく食事を楽しみつつ胃もたれを予防しましょう。さらに、料理方法にも工夫を凝らし、過度な油や味付けを控えることも効果的な対策となります。
編集部
食事中に気をつけたいことはありますか?
丸山先生
食事のペースを落とし、よく噛んで食べることも大切です。食べ物をよく噛むことで食べ物のサイズが小さくなります。よく噛むことで、小さくなった食べ物が唾液と十分混ざり、消化酵素が働きやすくなります。また、噛むことで食べる速度をコントロールし、食べ過ぎを防ぐこともできます。あとは、アルコールの飲み過ぎも胃に負担をかけるため、適量に抑えるよう心がけましょう。特に高濃度のお酒は胃粘膜を刺激する可能性があるため、注意が必要です。
編集部
そのほかにも、食事中の注意点や意識するべきことはありますか?
丸山先生
薬味やキムチなど、刺激物を控え目にするのもいいでしょう。しかし、せっかくの焼肉ですので、これらを楽しみたいこともあるかと思います。そのような場合は旨み成分を意識した味付けにすることで、刺激を抑えながらも美味しさを楽しむことが可能です。また、焼肉に合う飲み物というと冷たいビールやマッコリなどがあるかと思います。しかし、冷たい飲み物は胃を収縮させることがあるので、胃のことを考えると温かい飲み物がおすすめです。胃に優しい飲み物としては、白湯や麦茶、乳酸菌飲料なども選択肢となるでしょう。
配信: Medical DOC