俳優・高橋克明さん「心筋梗塞」で逝去 前兆となる“3つの初期症状”を医師が解説

俳優・高橋克明さん「心筋梗塞」で逝去 前兆となる“3つの初期症状”を医師が解説

俳優の高橋克明さん(59)が、「心筋梗塞」のため8月19日に逝去していたことを所属劇団が発表しました。

心筋梗塞は、心筋への血流が遮断されることで心筋が壊死する危険な病気です。この記事では、心筋梗塞の前兆となる初期症状や原因、セルフチェック法、予防法、何科へ受診すべきかなどを医師の豊島先生が解説します。気になる症状がある場合は迷わず病院を受診してください。

※この記事はMedical DOCにて【「心筋梗塞の前兆となる3つの初期症状」はご存知ですか?医師が徹底解説!】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

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監修医師:
豊島 大貴(医師)

昭和大学卒業。関東圏の総合病院で勤務。専門は循環器内科・一般内科。心筋梗塞、狭心症、心不全、弁膜症、高血圧症、脂質異常症、糖尿病などの患者さんの診察をしている。
【資格】
日本心エコー図学会 SHD心エコー図認証医
【所属学会】
日本内科学会、日本循環器学会、日本心エコー図学会、日本超音波医学会、日本心血管インターベンション治療学会など

「心筋梗塞」とは?

心筋梗塞は、心筋への血流が遮断されることで心筋が壊死する危険な病気です。通常、心臓に栄養を送る冠動脈と呼ばれる血管にプラークがたまり、それが破裂して血栓が形成されることで血流が途絶します。症状は何の前兆もなく突然起こることもありますが、心筋梗塞になる前に前兆となる症状が出現することがあります。今回は心筋梗塞の前兆や原因・予防法について解説します。

心筋梗塞の前兆となる初期症状

階段を登ると胸が締め付けられる

階段を登ると胸が締め付けられる場合、労作性狭心症かもしれません。労作性狭心症は、階段の上り下りや日常生活動作によって引き起こされる胸痛です。運動をすると心臓が必要とする酸素の量が増えます。しかし、心臓に栄養を送る冠動脈が狭窄していると、その需要に応えられず、胸痛が起きます。運動をすると痛みが生じ、休息すると痛みが和らぐのが特徴です。初めは激しい運動をした時だけ症状が出ますが、病気が進行すると歩行など負荷の少ない日常生活動作で症状が出てしまうようになります。労作性狭心症は心筋梗塞の前兆です。このような症状がある場合は循環器内科を受診し、心電図などの精密検査を受けましょう。

朝方の胸痛

朝方の胸痛は冠攣縮性狭心症かもしれません。冠攣縮性狭心症は、冠動脈が一時的に痙攣し、心筋への血流が急激に減少することで発生します。この症状は特に早朝や安静時に起こりやすいです。早朝に多い理由として、夜間安静時に副交感神経が亢進し、アセチルコリンが分泌されることが関係していると考えられています。
この病気の原因は完全には解明されていませんが、喫煙、ストレス、寒冷などが誘因となることが知られています。このような症状がある場合は循環器内科を受診し精密検査を受けましょう。

肩や顎・奥歯の痛み

肩や顎・奥歯に痛みが生じている時、それは心筋梗塞・狭心症の放散痛かもしれません。心臓の近くには肩や顎・奥歯につながる神経が集まっているため、心臓の血流が低下して痛みを感じると、肩や顎・奥歯の神経にも刺激が伝わり、放散痛が出現すると考えられています。心臓は左寄りにありますが、肩や顎の痛みは左側だけでなく右側でも起きることがあります。動かしても痛くない肩こりや虫歯がないのに奥歯や顎が痛むようなときは心筋梗塞や狭心症の放散痛かもしれません。気になる症状があるときは、まずかかりつけの内科を受診し相談してみましょう。

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