「血液検査」についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「血液検査」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
一般的な血液検査の項目を教えてください。
伊藤 陽子 医師
健康診断などでよく行う項目としては、血球検査(白血球数、貧血など)、生化学検査(肝機能、腎機能、脂質異常、血糖値など)を測定することが多いです。
血液検査でわかる病気はどのくらいありますか?
伊藤 陽子 医師
血液検査の項目はかなり多く、検査項目を増やせばいろいろな病気を診断することができます。一般的な項目で診断できるものでは、貧血、血液の病気(白血病など)、肝臓病、腎臓病、脂質異常症、糖尿病、高尿酸血症などです。このほかに採血項目を追加することで、甲状腺疾患を含めた内分泌疾患、膠原病などの病気を調べることができます。また、ピロリ菌の感染の有無を調べる検査として、ピロリ菌の抗体を血液検査で調べる方法もあります。しかし、保険の適応となる検査は、胃カメラでの胃炎などの診断をした後に行う血液検査です。このように、血液検査の中には保険での適応があるため、必要な検査かを医師が判断した上で行う必要があります。健康診断などの自費検査とは違い、希望すれば検査ができるわけではないため、医師の判断を仰ぐ必要があります。症状などから心配がある場合には医師に相談をしましょう。
血液検査の前にやってはいけないことはありますか?
伊藤 陽子 医師
血糖値や中性脂肪は食事に影響されて上昇するため、一般的には10時間以上の絶食の上採血をすることが推奨されています。検査の前に食事をとったり、糖分がある飲み物を摂取したりすると値が高くなります。また、脱水状態ではBUNやCr、Hbなどの値が上昇することがあります。水や麦茶などの水分を摂取し、脱水状態とならないようにしましょう。また、過酷な運動も脱水を起こしたり、運動により筋肉が損傷されたりするとCKなどの値が上昇する可能性があり、控えるべきです。
血液検査で癌はわかりますか?
伊藤 陽子 医師
血液の癌である白血病や悪性リンパ腫などは、血液検査の異常値で発見されることもあります。しかし、残念ながら一般的な癌は採血検査のみで癌を診断することはできません。腫瘍マーカーは癌により体が反応して産生される物質であり、癌が診断された後の指標として測定することがあります。しかし、この腫瘍マーカーは炎症などの良性疾患や生活習慣などでも高くなることもあり、腫瘍マーカーのみで癌を発見することはできません。一般的ながん健診を利用して早期にがんを発見することが勧められます。
健康診断の血液検査の前に食事をしてはいけないのはなぜですか?
伊藤 陽子 医師
血液検査の前に食事を摂ることで血糖値や中性脂肪の値が上がってしまい正確な値が分からなくなるためです。これらの検査項目がないか、医師に確認をしましょう。
まとめ「血液検査」で体の異常を早期発見!
血液検査ではさまざまな体の異常を早期に発見することができます。しかし、脱水などの体の状態によっては異常値が出てしまうこともあり、血液検査で異常が出た場合には早期に医療機関を受診し、再検査を受けましょう。また、異常値ではなくとも普段の自分の値から急に変化した場合にも注意が必要です。日ごろから自分の血液検査の結果に注目し、体の異常を早期に発見しましょう。
配信: Medical DOC