早期には症状が見られないことも多いといわれる肺がんですが、痛みはいつ、どこに生じてくるのでしょうか。
肺がんの症状は、ほかの呼吸器の病気でもみられる場合が多いため、発見が遅くなってしまうこともあるでしょう。
ここでは肺がんで現れる痛みの場所を、原因・症状と併せて解説していきます。
≫「肺がんが脳転移」した場合に見られる症状はご存知ですか?【医師監修】
監修医師:
山下 正勝(医師)
国立大学法人鹿児島大学歯学部卒業 / 神戸大学歯科口腔外科勤務 / 某一般歯科7年勤務 / 国立大学法人山口大学医学部医学科卒業 / 名古屋徳洲会総合病院呼吸器外科勤務 / 専門は呼吸器外科、栄養サポートチーム担当NST医師
保有免許・資格
歯科医師
日本外科学会外科専門医
緩和ケア研修修了
JATEC(外傷初期診療ガイドライン)コース修了
NST医師・歯科医師教育セミナー修了
嚥下機能評価研修修了
肺がんとは?
肺がんは、肺の気管・気管支・肺胞の細胞が、何らかの原因でがん化したものです。早期発見であれば手術によって治癒が期待できますが、発見されたときにはすでに進行している場合が少なくありません。
初期の段階では、咳や痰など風邪と似ている症状がみられるためです。進行すると、リンパ節や、胸膜・骨・脳・肝臓・副腎などに転移します。がんを見落とさないためにも、定期的に検診を受けましょう。
肺がんで痛みが出る場所は?
病期がステージ4まで進行し、肺がんが骨に転移した場合、肋骨・背中・腰などに強い痛みが出ることがあります。また脳に転移すると、嘔吐・ふらつきなどの症状とともに、頭痛の症状が出ることもあります。
また肺の上部である肺尖部(はいせんぶ)にできるがんをパンコースト腫瘍と呼びますが、最初のうちは腕の内側が痛くなるのが特徴です。がんが肺尖部から周囲の胸壁に達すると、その部位の神経が侵されるためです。
さらに腕の痛みやしびれ・胸や肩の痛みが出ることもあります。肺がんの痛みは、がんの発生場所や転移した場所によって現れ方は、さまざまだといえるでしょう。
配信: Medical DOC