「膵臓がん」を発症した際に「効果的な食べ物」はご存知ですか?医師が解説!

「膵臓がん」を発症した際に「効果的な食べ物」はご存知ですか?医師が解説!

膵臓がんに効果的な食べ物とは?Medical DOC監修医が膵臓がんになる可能性の高い食べ物・予防する食べ物・発症のリスクを上げやすい食べ物・予防法などを解説します。

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監修医師:
関口 雅則(医師)

浜松医科大学医学部を卒業後、初期臨床研修を終了。その後、大学病院や市中病院で消化器内科医としてのキャリアを積み、現在に至る。内視鏡治療、炎症性腸疾患診療、消化管がんの化学療法を専門としている。消化器病専門医、消化器内視鏡専門医、総合内科専門医。

「膵臓がん」とは?

膵臓がんは、胃の後ろに位置する20センチほどの細長い臓器である膵臓から発生する悪性腫瘍です。
膵臓には、食物の消化を助ける膵液(すいえき)を作る外分泌機能と、血糖値を調整するインスリンなどのホルモンを作り分泌する内分泌機能の2つの役割があります。
膵臓がんの多くは、膵液の通り道である膵管から発生します。
初期症状には乏しく、進行し腹痛や腹部膨満感、また急激に悪化したり発症したりする糖尿病がきっかけとなり見つかることがあります。
今回の記事では、膵臓がんのリスクを高める食べ物や、予防のために役立つ情報を科学的根拠に基づいてお伝えします。

膵臓がんのリスクを高める食べ物

日本の国立がん研究センターによれば、膵がんのリスクとなる食品は「データ不十分」となっています。
一方で、膵臓がんのリスクを高める食べ物についてのさまざまな研究もあります。そこで、今回はそうした食べ物についてご紹介していきます。

加工肉

加工肉は、通常亜硝酸塩で保存されており、N -ニトロソ化合物および複素環アミンが含まれています。これらの化合物には、発がん性があるとされており、これが膵臓がんリスクを高める可能性があります。また、国際がん研究機関(IARC)は、加工肉を「ヒトに対する発がん性がある」と分類しています。
具体的には、ソーセージ、ハム、ベーコン、サラミなどがあります。
一方、農林水産省からは、こうした加工肉を一切摂らないようにする必要はないという通達も出ています。完全に食事から加工肉を取り除くことも難しいので、日常的に食べすぎないようにすると良いでしょう。

赤肉

赤肉とは、牛肉、豚肉、羊肉(ラム、マトン)、馬肉、山羊肉を含む、「哺乳類」の肉のことです。鶏肉や七面鳥などは含みません。
赤肉を高温で調理すると、発がん性があると考えられている複素環アミンや多環芳香族炭化水素が生じる可能性があります。また、
赤肉を取りすぎると、ヘム鉄の吸収が増え、酸化ストレスが大きくなり、DNAが損傷する可能性が高くなるという報告があります。その結果、膵臓がんリスクを増加させるリスクがあります。

高糖質食品・砂糖

高糖質食品や砂糖の過剰摂取は、慢性的な高インスリン血症につながる可能性があります。
インスリンはIGF-1というホルモンの生物活性を増加させます。IGF-1はアポトーシスの抑制や細胞増殖を刺激することで、がんの進行を促進する可能性があります。その結果、膵臓がんのリスクが増加する可能性が考えられます。
具体的な食品名としては、飴や砂糖入りの清涼飲料水、ケーキ、クッキーなどがあります。

飽和脂肪酸を豊富に含むもの

飽和脂肪酸の摂りすぎで、2型糖尿病の発症リスクが高まることが示唆されている研究があります。2型糖尿病になると、先ほど述べたように慢性的な高インスリン状態となり、結果として膵臓がんになるリスクが高まる可能性があります。
そのため、飽和脂肪酸を過度に摂取することは避けた方がよいでしょう。
バター、生クリーム、ラード、脂身の多い肉の摂りすぎには気をつけましょう。

アルコール

大量のアルコール摂取は膵臓がんのリスクを高める可能性があります。
大量とは、具体的には1日あたりのエタノールの摂取量で男性では50g /日以上、女性では25g /日以上が目安となります。
おおよそ、アルコール度数5%のビール500mlにはエタノール20gが含まれています。そのため、男性では500ml缶を2.5本、女性では1本強飲み続けることは膵臓がんのリスクになり得るということになります。

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