病気が性交痛の原因になることも
編集部
性交痛があるからといって、危険なことはないのですか?
五十嵐先生
気をつけたいのは「病気などが性交痛の原因になっていることもある」ということです。たとえば動脈硬化になると血管壁が硬くなり、潤滑液が分泌されにくくなるということがあります。
編集部
そのほかにも考えられる病気はありますか?
五十嵐先生
子宮内膜症や子宮筋腫など骨盤内の問題や、性器クラミジア感染症、カンジダ膣炎炎などの炎症性疾患が原因となっていることもあります。特に子宮の奥に痛みを感じる場合には、こうした病気の可能性も考えられます。
編集部
いろいろな原因があるのですね。
五十嵐先生
病気ではありませんが、膣の奥が痛む場合には便秘が関係していることもあります。特に、S状結腸に便が残っていたり、宿便があったりすると、膣の奥が痛くなることもあります。緊張やストレスが原因となって性交痛が生じているときには、カウンセリングなどが必要になることもあります。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
五十嵐先生
性交痛はなかなか人に相談しづらい悩みですが、適切に対処すれば改善が期待できる症状です。医療機関によって治療法は異なり、自費診療になりますが、レーザーを照射して膣のうるおいを回復させる新しい治療を取り入れているところもあります。性交痛で一人で悩んでいる方も多いのですが、医療の助けを借りて改善できることも多いですし、一人ひとりに適した治療法をご提案することもできるので、我慢せず、ぜひ気軽に婦人科へご相談ください。
編集部まとめ
性交痛があるという理由で、パートナーとの性交を拒むことになったり、パートナーとの関係性が悪くなったりすることも少なくないようです。性交痛はどの年代でも生じる悩み。一人で抱えず、ぜひ婦人科に相談してみましょう。
配信: Medical DOC