焼肉を食べた次の日、胃もたれになってしまったときの対処法はご存じですか? 今回は、「胃もたれの対処法」と「リカバリー方法」について、医師の丸山先生に解説していただきました。
※この記事はMedical DOCにて【焼肉を食べた翌日の「胃もたれ」を防ぐコツ・対処法を医師が解説! 食事中の○○に要注意!】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
監修医師:
丸山 潤(医師)
群馬大学医学部卒業。群馬県内の高度救命救急センター救急科及び集中治療科に2022年まで所属。2022年より千葉県の総合病院にて救急総合診療科および小児科を兼務。乳児から高齢者まで幅広い患者層の診療に努める。
【保有資格】
医師/医学博士/日本救急医学会救急科専門医/日本集中治療医学会集中治療専門医/DMAT隊員/日本航空医療学会認定指導者(ドクターヘリの指導者資格)/JATECインストラクター/ICLSインストラクター
編集部
焼肉を食べた次の日、胃もたれになってしまったときの対処法は?
丸山先生
胃もたれになった際の対処法としては、まず胃を休めるための食事が重要です。消化しやすいお粥や蒸し野菜などの軽い食事を摂るようにしましょう。そして、脂っこい食べ物や刺激物はできる限り避けるようにしてください。
編集部
それ以外の対処法や調整法があれば教えてください。
丸山先生
適度な運動も効果的で、散歩など軽い運動は胃腸の働きを活発化させるためおすすめです。また、横になると胃酸が上がってきて胃の不快感が生じる人もいますので、横にならずに座った姿勢を保つ、重い物を持たない(お腹に力を入れない)など、胃に負担をかけないよう過ごすことも効果的です。加えて、ストレスも胃もたれの原因になることがあるので、リラックスできる時間を作ることも助けになるでしょう。
編集部
胃薬を飲んだら、すぐに胃もたれの症状が和らぎますか?
丸山先生
胃薬は胃の粘膜を保護したり、胃酸の分泌を抑えたりする作用があるため、一時的に胃もたれの症状を和らげることができます。しかし、胃もたれの根本的な原因は、前日の焼肉の食べ方を含め日頃の食生活や生活習慣にある場合が多いため、薬だけでは完全な解決にはなりません。「脂質の多い食べ物の摂取を控える」「食事のペースを落とす」「適度な運動をする」など、生活習慣の見直しも合わせておこなう必要があります。
編集部
胃もたれで医療機関に相談する目安は?
丸山先生
胃もたれの症状が市販薬を飲んでも何日も改善しない場合、または頻繁に胃もたれが起きる場合には、医療機関の受診をおすすめします。これらの症状は、胃もたれだけでなく胃炎や胃潰瘍など、より深刻な病気の兆候である可能性もあるからです。医師による診察では、食生活や生活習慣のアドバイスも受けられるので、根本的な改善にもつながります。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
丸山先生
焼肉は友人や家族との素晴らしい時間を提供してくれますが、自分の身体のことも考えながら参加する必要があります。脂質が多い部位を過剰に摂取すると胃もたれが起こりやすくなるため、バランス良く食べることが重要です。赤身の部位や野菜なども取り入れるといいでしょう。また、食べ過ぎや飲み過ぎにも注意が必要です。胃もたれが起きた際には、胃を休める食事や適度な運動を心がけてください。焼肉を賢く美味しく楽しむことで、体調を崩すことなく素敵な時間を過ごせることでしょう。
配信: Medical DOC