自宅や老人ホームのような高齢者施設で診療を行う訪問診療の場合、設備面で対応が難しい症例もありますが、基本的には外来受診するときと同様の診察や治療、検査を行い、患者様のご病気や症状に対応いたします。
主に、高血圧、認知症、脳血管疾患後遺症、脂質異常症、糖尿病、神経難病などの方が訪問診療を利用されていますが、これらの症例以外でも対応可能なことが多いので、まず相談してみることが大切です。
提供できる医療サービス
内科医として提供できる医療サービスには、血圧測定や体温測定、点滴、投薬、採血、検尿など、さらに療養上の相談、指導などが挙げられます。
また、必要に応じて専門の病院や入院先を紹介することもあります。
たとえば、内科と歯科が連携をとって患者様の健康維持を図るケースなどです。
内科だけでなく、歯科についても訪問診療のニーズは高まっています。
訪問診療で対応できる症例としては、虫歯治療をはじめ、抜歯や歯冠の修復・充填、歯周病検査および治療、入れ歯の製作・調整・修理などさまざまです。
内科と同様、ほぼ外来受診と同じ内容の対応が可能です。そのほか、口腔内清掃や口腔衛生指導、摂食・嚥下リハビリテーションなども対応できる症例として挙げられます。
これらは、高齢者のQOLや健康の維持のためにも重要とされており、高齢の利用者が多い訪問診療においても重要視されているのです。
内科医と歯科医の連携
Medical doctor teamwork, surgeon, ER surgery clinical team hand group (isolated with clippig path) in hospital clinic for professional cooperative work on patient care operation concept
訪問診療においては、医療・介護関係者同士の連携が重視されていることから、内科医と歯科医も連携しながら患者様の健康をサポートするケースがあります。
歯の健康は心身の健康にもつながるため、内科と歯科、それぞれの症状や経過、診療内容などの情報を共有しながら患者様を支えます。
また、訪問診療は症状の重症度にかかわらず、主治医の判断があれば利用できます。
利用のハードルが高い医療サービスではないのですが、自分の年齢や症状、介護度では利用できないのではないかと考える方や、訪問診療では対応可能な症例が少ないイメージを持っている方も多いと考えられます。
訪問診療は身近な幅広い症例に対応できる医療サービスであることを、訪問診療に携わる内科医をはじめとする医療従事者たちによって伝えていく必要があります。
配信: 医科歯科健診コラム