不安神経症

不安神経症

不安神経症の概要

不安神経症とは、自分自身でコントロールできない慢性的な不安が原因で心身や日常生活に支障をきたす状態です。近年では「全般不安障害」とも呼ばれています。

私たちの意識では、苦痛や不快な出来事を体験すると無意識に防御機能が働き、こころの安定を図ろうとします。

防御機能には、場面に応じて様々な種類があります。例えば、受け入れ難い出来事を経験したときに、負け惜しみを言ったりやせ我慢をしたりすることは、防御機能の一種で「合理化」と呼ばれています。

人間は、このような苦痛や不快な経験に対して防御機能を働かせることでこころの安定を図り、日常生活に適応しています。
しかし、快楽を得ようとする本能的な欲望と、それを押し殺そうとする力との葛藤が生じると、不安が生じます。

通常、不安が生じると防御機能が働くものの、過剰に働いたり正常に機能しなかったりすることで、精神や身体に何らかの症状が現れることがあります。

不安神経症では、抱えている不安が原因で眠れなくなったり、筋肉の緊張によって肩がこったりするなどさまざまな身体症状が現れます。

さらに、不安や身体症状によって集中力が低下し、仕事や日常生活に悪影響を及ぼすほか、他の精神疾患を併発する恐れもあります。重症の場合には希死念慮を抱くこともあり、注意が必要です。

不安神経症の原因

不安神経症の明確な原因は解明されていません。しかし、ストレスに対する反応に異常を認める場合や特定の薬剤の使用、遺伝的な体質、何らかの疾患、神経伝達物質の異常などの要因が複雑に絡み合って発症するものと考えられています。

不安神経症の発症に関わるリスク因子には以下のものが挙げられます。

貧困

女性

幼少期の親の死

親の精神疾患既往

身体疾患(不整脈、心疾患、呼吸器疾患、脂質異常症、認知機能低下など)

精神疾患(恐怖症、うつ病など)

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